「珍獣度を推し量るものさし」について、以下の目次で記載します。
「世界三大珍獣 説のはじまり 起源」投稿から10カ月
ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバが世界3大珍獣とされた由来については、いまから10カ月ほど前の2018年4月に、以下リンク先に記しました。
1.いわゆる「世界三大珍獣」とは、ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバのこと。
2.「世界三大珍獣」説は、1960年に上野動物園に初めてコビトカバが導入されるにあたり、動物学者の高島春雄先生が唱えた。
3.上野動物園がコビトカバを導入する以前から世界三大珍獣が定義づけられていた訳でなく、上野動物園が三大珍獣を揃えようとコレクションした訳でもない。
また、「〇〇のいる動物園」「〇〇のいる水族館」の投稿を重ねていると、1科1種とか1目1科とかで珍獣度が語られていることに気づきます。
もっと”科学的”に珍獣度を推し量れないものか
そこで、世界三大珍獣ではなく、もっと”科学的”に珍獣度を推し量れないものかと、このあたりをまとめたく思っています。
まず、検索して興味をそそられたのが、Yahoo!知恵袋のこちらの投稿です。
それにしても、イチョウが一綱一種の珍しさというのには驚きました。
(分類用後: 綱>目>科>属>種)
哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類では、以下ののような情報となります。
1目1科1属1種:ツチブタ、チロエオポッサム(ミクロビオテリウム目)。
1目1科1属2種:ムカシトカゲ(ムカシトカゲ目)。
1科1属1種:カモノハシ、プロングホーン、ツバメケイ、ヘビクイワシ、スッポンモドキ、ガビアル(ワニ目)、メキシコジムグリガエル。
センザンコウは?
では、センザンコウは?というと、
センザンコウ目(有鱗目、鱗甲目)センザンコウ科で、1目1科1属?8種となるようです。
センザンコウ目は有鱗目(ゆうりんもく)ともいい、現生はセンザンコウ科1科のみ。インドから東南アジアにかけて4種(下のリストの前半)、アフリカに4種(下のリストの後半)が現存し、これら8種が、1属または2属に分類される。
- センザンコウ属 Manis
- インドセンザンコウ Manis crassicaudata
- ミミセンザンコウ Manis pentadactyla
- マレーセンザンコウ Manis javanica
- Manis culionensis
- Smutsia 属
- オオセンザンコウ Manis gigantea
- サバンナセンザンコウ Manis temminckii
- Phataginus 属
- キノボリセンザンコウ Manis tricuspis
- オナガセンザンコウ Manis tetradactyla
まあ、
絶滅してしまった種が多く、「珍獣」となったのは→1科1属1種
そもそも成り立ちからして「珍獣」なのは→1目1科
あたりを、ものさしとするのがよさそうです。
世界三大珍獣の”珍獣度”は?
上記”珍獣度”ものさしで、世界三大珍獣(ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバ)の珍獣度を推し量ってみましょう。
ジャイアントパンダの”珍獣度”
ジャイアントパンダは、
哺乳綱>食肉目>クマ科>ジャイアントパンダ属に分類される食肉類です。
クマ科には、ジャイアントパンダ属、マレーグマ属、ナマケグマ属、メガネグマ属、クマ属と4属ありますので、属の下の種はちょっと数えるのも嫌になります。
ジャイアントパンダ属にはジャイアントパンダ1種ですので、
ジャイアントパンダの珍獣度は1属1種のレベルとなり、珍獣度がとりたてて高い訳ではありません。
※”珍獣度”と希少度は、別の指標です。
オカピの”珍獣度”
オカピは、
偶蹄目>キリン科>オカピ属に分類される偶蹄類です。
キリン科には、キリン属、オカピ属の2属が現生しています。
オカピ属はオカピ1種で構成されていますので、
オカピの珍獣度は1属1種のレベルとなり、ジャイアントパンダ同様、珍獣度がとりたてて高い訳ではありません。
※”珍獣度”と希少度は、別の指標です。
コビトカバの”珍獣度”
コビトカバは、
カバ科>コビトカバ属に分類される偶蹄類です。
カバ(亜)科には、コビトカバ属とカバ属の2属が現生しています。
コビトカバ属は、コビトカバ1種で構成されていますので、
コビトカバの珍獣度は1属1種のレベルとなり、ジャイアントパンダやオカピ同様、珍獣度がとりたてて高い訳ではありません。
※”珍獣度”と希少度は、別の指標です。
ナショジオが、1属1種の動物を孤高と位置づけ5種紹介しています。
アイアイ、ムカシトカゲ、ツチブタ、ラーテル、コアラ
まとめ
このエントリーをアップしたところ、さっそく情報提供いただきまして、「ヒヨケザル」が1目1科と判明しましたので、以下に1目1科を列挙します。
1目1科の動物一覧(随時更新)
ツチブタ(1目1科1属 現生1種)
ツチブタ目 Tubulidentata > ツチブタ科 Orycteropodidae > ツチブタ属 Orycteropus > 現生1種ツチブタ O. afer
ツチブタ(土豚、Orycteropus afer)は、ツチブタ目(管歯目)ツチブタ科ツチブタ属に分類される哺乳類。ツチブタ目・ツチブタ科・ツチブタ属それぞれの唯一の現生種である。
チロエオポッサム(1目1科1属 現生1種)
ミクロビオテリウム目Microbiotheria > ミクロビオテリウム科Microbiotheriidae > チロエオポッサム属 > 現生1種チロエオポッサム D. gliroides
フクロモグラ(1目1科1属 現生1種)
フクロモグラ目 Notoryctemorphia > フクロモグラ科 Notoryctidae > フクロモグラ属 Notoryctes > フクロモグラ N. typhlops
フクロモグラ(袋土竜、Notoryctes typhlops)は、フクロモグラ目フクロモグラ科フクロモグラ属に分類される有袋類。
形態:体長12-16cm。尾長2-3cm。体重40-70g。全身は金色の体毛で覆われている。尾は棍棒状で、側面と腹面には体毛がない。
吻端は突出せず四角い角質で覆われる。眼と外耳は退化し外見からは割れ目や小さい穴にしか見えない。前肢の爪は平たく特に第3、4指にある爪は大型で、砂を掘るのに適している。後肢の第2趾には大型の爪がある。
収斂進化の好例として、本種とキンモグラが挙げられることも多い。
分類:西オーストラリア州北西部に分布するヒメフクロモグラは本種より体長や頭骨の先端、下顎前臼歯を支える部分が小型であることや、分布が異なることから独立種とされることもある。しかし本種との分布が連続している可能性もあり、本種のシノニムとする説もある。
ムカシトカゲ(1目1科1属 現生2種)
ムカシトカゲ目 Sphenodontia > ムカシトカゲ科 Sphenodontidae > ムカシトカゲ属 Sphenodon > 現生2種
ムカシトカゲは、ニュージーランドの限られた地域に生息する、原始的な形質を残した爬虫類。現地での呼称からトゥアタラ(tuatara)と呼ばれることもある。
ヒヨケザル(1目1科1属 現生2種)
ヒヨケザル目 Dermoptera > ヒヨケザル科 Cynocephalidae > ヒヨケザル属Cynocephalus > 現生2種
現生群は、ヒヨケザル科の1–2属のみで、ヒヨケザル(日避猿)と総称される。コウモリザルの別名もある。
東南アジアの熱帯地方に生息し、フィリピンヒヨケザル Cynocephalus volans とマレーヒヨケザル Cynocephalus variegatus の2種のみが現存する。
オポッサム(1目1科1属 現生4種)
オポッサム目 Didelphimorphia > オポッサム科 Didelphidae > オポッサム属 Didelphis > 現生4種
オポッサム (opossum) は、有袋類オポッサム目オポッサム科の総称である。1目1科。アメリカ大陸に分布する。オーストラリアでは、双前歯目のポッサムのことをオポッサムということがある。
オポッサムは、カンガルーやコアラなどと同様に腹に育児嚢(いくじのう)という袋をもつ有袋類であり、ネズミに似た外見をしていることから、フクロネズミとも呼ばれる。
センザンコウ(1目1科1属 現生8種)
鱗甲目 Pholidota > センザンコウ科 Manidae > センザンコウ属 Manis >現生8種
ハネジネズミ(1目1科 現生4属)
ハネジネズミ目(長脚目)Macroscelidea > ハネジネズミ科 Macroscelididae > 現生4属
ハネジネズミ(跳地鼠)は、ハネジネズミ目ハネジネズミ科に属する哺乳類の総称。
ハネジネズミ科は、以前は食虫目(のちに食虫目がモグラ目と呼ばれるようになる以前)に分類されていたが、最近の分類では、独立した目とされることが多い。現生は1目1科。目名は、学名の直訳は長脚目(長脚類)だが、ハネジネズミ目とも呼ばれる。
そのほか、ありますでしょうか????