今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは「甲虫」です。
「甲虫」という言葉は、その読み方によって、意味合いが大きく異なります。
「甲虫」を「生き物にまつわる言葉」として深掘りリサーチし、以下の目次に沿ってまとめてレポートします。
甲虫の読み方と意味
「甲虫」は、主に以下の2つの読み方と意味があります。
- こうちゅう: 昆虫の一種で、カブトムシ、コガネムシ、テントウムシなど、体が硬い外骨格に覆われた昆虫の総称です。
- カブトムシ: 特定の昆虫であるカブトムシを指す場合もあります。
カブトムシ(漢字表記は「兜虫」もしくは「甲虫」、学名:Trypoxylus dichotomus)は、コウチュウ目コガネムシ科カブトムシ亜科カブトムシ族カブトムシ属 Trypoxylus に分類される昆虫の種(=標準和名としての狭義のカブトムシ)。より広義にはカブトムシ属を含むカブトムシ亜科 (Dynastinae) に分類される昆虫の総称。
甲虫の語源と由来
読み=こうちゅうの場合:
「甲」は「よろい」を意味し、「虫」は昆虫を意味します。
体が硬い外骨格で覆われていることから、「よろいを着た虫」という意味で「甲虫」と呼ばれるようになりました。
語義は、明治前期に、学名(ラテン語)Coleoptera、英語名 beetle、ドイツ語名 Käfer (de) を基に「甲翅虫(こうしちゅう)」と意訳されたが、のちに「甲虫」と略された。
読み=カブトムシの場合:
オスの頭部の角が兜の前立てに似ていることから、「かぶと」をつけた虫という意味で「カブトムシ」と呼ばれるようになりました。
「兜」(かぶと)と「鎧」(よろい)の総称を表現する言葉に甲冑(かっちゅう)があります。「甲冑」という言葉において、「甲」と「冑」の意味は以下の通りです。
- 甲(こう): 体を守るための「鎧」を指します。
- 冑(かぶと): 頭を守るための「兜」を指します。
「甲」は「かぶと」とも読まれることがあるなど、一部の文献では、本来「鎧」の意である「甲」の意味が逆に使われることがあります。
一般的には「甲」は「鎧」を指す場合が多いです。
文脈によって異なることもあるため、注意が必要です。
「甲虫」と書いてカブトムシと読むのは、まさに「甲」の意味の誤解・混乱が招いた結果といえるのではないでしょうか?
甲虫(こうちゅう)の特徴
- 硬い外骨格: 体が硬いキチン質の殻で覆われており、外敵から身を守っています。
- 完全変態: 卵、幼虫、さなぎ、成虫の4つの段階を経て成長します。
- 多様な形態: 世界中に数多くの種類が生息しており、形や大きさ、色などが様々です。
- 生態系の役割: 多くの甲虫は、植物の受粉を助けたり、他の昆虫を捕食したりするなど、生態系の中で重要な役割を果たしています。
甲虫の分類と代表的な種類
甲虫は、昆虫の中で最も種類が多いグループの一つです。
甲虫類(こうちゅうるい)は、昆虫綱・有翅昆虫亜綱・コウチュウ目(甲虫目、鞘翅目(しょうしもく)とも)に分類される昆虫の総称。
カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシ、ゲンゴロウ、オサムシ、ホタル、テントウムシ、ゾウムシなど、非常に多様な昆虫が所属する。
代表的な種類としては、以下のものがあります。
- コガネムシ科 Scarabaeidae - コガネムシ、ヒゲコガネ、アオドウガネ、ダイコクコガネ(糞虫)、カブトムシ、カナブン、ハナムグリ、ドウガネブイブイなど多数
- クワガタムシ科 Lucanidae - オオクワガタ、ヒメオオクワガタ、コクワガタ、ノコギリクワガタなど多数
- テントウムシ科 Coccinelidae - テントウムシ、ナナホシテントウ、ニジュウヤホシテントウなど
- カミキリムシ科 Cerambycidae - シロスジカミキリ、ゴマダラカミキリ、ミヤマカミキリ、トラカミキリ類、ハナカミキリ類など多数
- ゲンゴロウ科 Dytiscidae - ゲンゴロウ属(ゲンゴロウ・コガタノゲンゴロウなど)、ゲンゴロウモドキ属(シャープゲンゴロウモドキ・オウサマゲンゴロウモドキなど)、スジゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウ、ヤシャゲンゴロウなど
- オサムシ科 Carabidae - オサムシ類(エゾカタビロオサムシ・マイマイカブリなど)、ゴミムシ類(オオゴミムシ・アオゴミムシ・オウシュウオオキベリアオゴミムシ・オオキベリアオゴミムシ・オオマルクビゴミムシなど)、チビゴミムシ亜科(メクラチビゴミムシなど)、ナガゴミムシ類(ヨコハマナガゴミムシ・ジャアナヒラタゴミムシなど)、ハンミョウなど
- ホタル科 Lampyridae - ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタル、マドボタルなど
甲虫の用例・使い方
- 昆虫採集: 子供たちが夏休みに昆虫採集をする際に、カブトムシやクワガタムシといった甲虫を捕まえることがあります。
- 生態学: 甲虫は、生態系の多様性を測る指標として利用されることがあります。
- 文学: 甲虫は、文学作品の中で、象徴的な存在として描かれることがあります。
- 美術: 甲虫は、絵画や彫刻の題材として、その美しい姿が表現されることがあります。
まとめ
「甲虫」は、硬い外骨格を持つ昆虫の総称であり、カブトムシはその代表的な種類の一つです。
甲虫は、その多様な形態と生態系における重要な役割から、古くから人々に親しまれてきました。
興味深いですよ!「甲虫」。