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「他の植物名がついた植物」を深掘りリサーチ!特徴や命名の由来をまとめレポート

今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「標準和名(カタカナ表記)に他の植物名がついた植物」です。

 

「動物名が冠されている植物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。

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「植物名が冠されている動物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。

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「他の動物名がついた動物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。

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植物の標準和名(カタカナ表記)には、植物の名前が冠されているものが存在します。それは、その植物と引用された植物との間に何らかの関係性が見られる場合に名付けられることが多いです。

以下に、「標準和名(カタカナ表記)に他の植物名(仲間でない植物名)がついた植物」を列挙し、その植物の特徴やそれぞれの命名の由来を説明します。

引用される動物名の五十音順に掲載してありますので、まずは「アヤメ」を引用している例からご確認ください。

 

アヤメ(菖蒲)

アヤメギク(菖蒲菊):

  • 特徴:アヤメギクは、南アフリカ原産のキク科の常緑多年草です。ガーデニングでも人気があり、グランドカバーや寄せ植えによく利用されます。
    • 「アヤメギク」という標準和名の植物の学名は、Osteospermum fruticosum(オステオスペルマム・フルティコサム)です。
      これはオステオスペルマム属の一種で、細長い葉がアヤメに似ていることから、特にこの種に対して「アヤメギク」という和名が使われています。
    • なお、オステオスペルマム属全体は、より広義に「アフリカンキンセンカ」という和名で呼ばれることもあります。
    • アヤメギクは、キク科に属します。
    • 葉: 細長く、光沢があり、シュッとしたスマートな形をしています。
    • 花: 花期は春から初夏にかけてで、紫がかった美しい色合いのものが多く、キク科らしい可憐な花を咲かせます。
  • 標準和名に「菖蒲」や「菊」がついた由来:アヤメギクという名前は、その植物が持つ2つの異なる特徴からつけられました。
    • 「アヤメ(菖蒲)」の由来: その細長く、すらりとした葉の形が、アヤメ科の植物である菖蒲(アヤメ)の葉に非常によく似ていることから名付けられました。
    • 「ギク(菊)」の由来: 花の形が、キク科の植物に典型的な、花びらが放射状に広がる菊(キク)に似ていることから名付けられました。

つまり、葉は「アヤメ」に似ており、花は「キク」に似ている、という植物の見た目の特徴をそのまま表現した名前となっています。

Dimorphotheca fruticosa - Wikipedia

Dimorphotheca fruticosa, is a species of perennial herb native to coastal areas of South Africa.
It is commonly known as trailing African daisy, and by its synonym Osteospermum fruticosum.

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/55/Dimorphotheca_fruticosa.jpg/1280px-Dimorphotheca_fruticosa.jpg

 

ウメ(梅)

ウメバチソウ (梅鉢草):

  • 特徴:ウメバチソウは、湿地や湿った草地に自生する多年草です。細い茎の先に、白く美しい花を1つだけつけます。
    • 花: 花期は夏から秋にかけてで、直径2cmほどの白い花を咲かせます。5枚の花弁を持ち、花弁と花弁の間に、ユニークな形をした5本の付属体(仮雄蕊)があります。
  • 標準和名に「梅」や「鉢」がついた由来:ウメバチソウという名前は、その花が持つ特徴を表現したものです。
    • 「ウメ(梅)」の由来: 白い5枚の花弁を持つ花の形が、ウメ(梅)の花に非常によく似ていることから名付けられました。
    • 「ハチ(鉢)」の由来: 花の中心にあるユニークな付属体を含む部分が、酒を入れる杯(さかずき)や鉢に似ていることから、「鉢」という言葉が当てられました。

つまり、「梅の花のような形をした、鉢に似た中心部を持つ草」というのが、この名前の由来となります。

 

カシワ(柏)

カシワテングタケ(菌類)

カシワテングタケ(Amanita castanopsidis)は、テングタケ科テングタケ属に属するキノコです。夏から秋にかけて、ブナ科の樹木(特にカシワやシイ、ナラなど)の林の地上に発生します。

  • 主な特徴は以下の通りです。
    • カサ: 直径は5〜10cmほどで、色は黄褐色から栗褐色をしています。カサの表面には、ツボの破片がイボ状に残りますが、雨などで落ちやすいです。
    • ヒダ: ヒダは白色で密に並び、柄に対して離生しています。
    • 柄: 柄は白色で、根本は球根状に膨らんでいます。他のテングタケの仲間と同様に、柄の上部にはツバ(リング)があり、根本にはツボの破片が襟巻き状に残ります。
    • 毒性: 毒キノコとして知られており、嘔吐や下痢などの消化器系の中毒症状を引き起こします。
  • 天狗がつく由来
    カシワテングタケの標準和名に「天狗」がつく由来は、他のテングタケ属のキノコと同様の説が考えられます。
    • 形態的特徴からの連想:
      • 柄の長さ: テングタケ属のキノコは、柄が長く、傘が柄の先端に開く様子が、天狗の長い鼻を連想させるという説。
      • ツバやツボ: 柄に残るツバや、根本のツボの破片が、天狗の顔の周りにある飾りを思わせるという説。
    • 毒性や出現場所からの連想:
      • 毒キノコであり、人に幻覚作用や中毒症状を引き起こすことから、天狗が持つとされる不思議な力と関連付けられたという説。
      • 天狗が住むとされたような山奥の森に多く見られるため、天狗と結びつけられたという説。

「カシワテングタケ」という和名は、カシワの木の下に生えるテングタケの仲間であることから、その特徴がそのまま名前に冠せられたと考えられます。

コノテガシワ:

  • 特徴:コノテガシワはヒノキ科の常緑針葉樹です。庭木や公園樹として広く植えられています。最大の特徴は、平たく広がった枝葉が上向きに垂直に伸びる独特な樹形です。
  • 名前の由来:コノテガシワという名前は、**「児の手」と「柏」**という二つの部分から成り立っており、それぞれの由来は以下の通りです。
    • 児の手(コノテ)
      枝葉が平たい板状で、上に向かって伸びる様子が、まるで子供が手を合わせているように見えることから名付けられました。
    • 柏(カシワ)
      この「柏」は、日本の柏の木(ブナ科)に由来するものではありません。漢字「柏」が、もともと中国でヒノキ科の樹木を指す言葉だったことに由来します。
      コノテガシワも同じヒノキ科に属しているため、植物学的に見て理にかなった命名となっています。

日本のカシワが国訓であるのに対し、コノテガシワの「柏」は、漢字本来の意味が通じる学術的な命名と言えるでしょう。

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カツラ(桂)

ニッケイ(肉桂):

  • 特徴:ニッケイはクスノキ科の常緑高木で、一般的にスパイスとして知られるシナモン(セイロンニッケイ)とは近縁種です。
    • 見た目: 葉は卵形で、光沢があり、3本の主脈が目立つのが特徴です。
    • 香り: 樹皮や葉、根に特有の甘くスパイシーな香りがあり、香料や薬用として利用されます。
    • 用途: 日本では古くから薬用や香料として使われており、和菓子(八つ橋など)の風味付けにも用いられます。
  • 名前の由来:「ニッケイ」という名前は、元々中国の漢名「肉桂(ろうけい/にくけい)」に由来します。その名前は以下の意味から成り立っています。
    • 「肉(にく)」: 樹皮を剥がして利用することから、まるで樹木の「肉」を食べるように感じられることに由来するとされます。
    • 「桂(けい)」: これはモクセイ科のカツラの木とは別の植物で、古来中国で芳香を持つ木を総称して「桂」と呼んでいました。特に、樹皮から取れる香料の材料となる植物を指すことが多かったようです。

したがって、「ニッケイ(肉桂)」という名前は、「樹木の肉(樹皮)が香料になる、芳香を持つ桂の木」という意味で付けられたものです。日本のカツラの木とは直接的な関係はありませんが、同じ「桂」という漢字が用いられています。

ニッケイの根の皮を乾燥させて粉にしたものが「ニッキ」と呼ばれています。ニッケイの樹皮は「ケイヒ(桂皮)」と呼ばれ、漢方薬などにも使われます。
ニッキは、八つ橋やニッキ飴など、和菓子によく使われる独特の甘くスパイシーな香りと辛味を持つ香辛料です。一方、洋菓子などによく使われる「シナモン」も同じニッケイ属の植物(主にセイロンニッケイ)から作られますが、こちらは樹皮を利用し、ニッキより甘みが強く、香りが穏やかという違いがあります。

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カラマツ(落葉松)

カラマツソウ(唐松草):

  • 特徴:カラマツソウは、山地の林や草地に自生する多年草です。細かく枝分かれした茎の先に、可憐な花をたくさんつけます。
    • 葉: 葉は複葉で、細かく分裂しています。
    • 花: 花期は夏で、花弁はありませんが、雄しべが多数集まってフワフワとした特徴的な花を咲かせます。
  • 標準和名に「唐松」がついた由来:カラマツソウという名前は、その植物の葉の形に由来しています。
    • 「カラマツ(唐松)」の由来: 葉が細かく分かれて密集する様子が、針葉樹であるカラマツ(唐松)の葉に似ていることから名付けられました。
    • 「ソウ(草)」の由来: 樹木ではなく草であることから「ソウ」が付きました。

「唐松の葉のような草」というのが、この名前の由来です。

 

キク(菊)

キクザキイチゲ:

  • 特徴:キクザキイチゲは、キンポウゲ科イチリンソウ属に分類される多年草で、春先に花を咲かせ、夏には地上部が枯れる「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と呼ばれる植物の一種です。主な特徴は以下の通りです。
    • 花: 直径2.5~4cmほどの花を、1本の茎に1輪だけ咲かせます。花の色は白色や青紫色など、変異に富みます。花びらのように見える部分は、実際には萼(がく)が変化したものです。晴れた日の日中に開き、曇りや夜には閉じます。
    • 葉: 茎から3枚の葉が輪生し、深い切れ込みがあるのが特徴です。葉の形が同じ仲間であるアズマイチゲと見分けるポイントになります。
    • 生育環境: 近畿以北から北海道にかけての、落葉樹林の林床などで見られます。
  • 和名に「菊」がつく由来:標準和名である「キクザキイチゲ(菊咲一華)」は、「菊のような花を咲かせるイチゲ」という意味で名付けられました。
    • 「菊咲き」: 多数の萼片(花びらのように見える部分)が広がる様子が、キクの花に似ていることからきています。
    • 「イチゲ」: 「一華」と書き、1本の茎に1つの花を咲かせることを意味します。「一輪草(イチリンソウ)」とも呼ばれます。

キクザキイチゲはキンポウゲ科の植物であり、キク科とは別の科に属しますが、その見た目から「菊」という名前がつけられたのです。

キクニガナ(菊苦菜):

  • 特徴:キクニガナは、ヨーロッパや西アジアが原産の多年草で、一般的にはチコリとして知られています。
    • 葉: 根元からロゼット状に広がり、苦味があります。栽培品種は野菜として利用されます。
    • 花: 初夏から秋にかけて、タンポポを思わせるような青紫色の美しい花を咲かせます。花は朝開き、午後には閉じる性質があります。
  • 標準和名に「菊」や「苦菜」がついた由来:キクニガナという名前は、その植物の特徴を2つの言葉で表現したものです。
    • 「キク(菊)」の由来: この植物がキク科に属し、タンポポやニガナなどと同じように、菊に似た頭状花序(花が集まって一つの花のように見えるもの)を咲かせることから名付けられました。
    • 「ニガナ(苦菜)」の由来: 葉に強い苦味があることから「苦菜」と名付けられました。ちなみに「ニガナ」は、別の植物(ニガナ属)の和名でもあります。

つまり、「菊の仲間で、苦味がある菜」という意味が込められた名前です。

キクの仲間なのですから、ニガナギクという標準和名のほうがおさまりがよいと、私は感じました、

 

キュウリ(胡瓜)

キュウリグサ:

  • 特徴:キュウリグサは、日本全国の道端や畑、庭など、身近な場所でよく見られる一年草または越年草です。
    • 見た目: 草丈は10〜30cmほどで、茎や葉には細かい毛が生えています。
    • 花: 直径2mm程度の小さな花を咲かせます。花の色は淡い青紫色で、中心部がわずかに黄色くなっているのが特徴です。つぼみは巻いたような形(サソリ型花序)をしており、下の方から順に花を咲かせながら、茎がまっすぐ伸びていきます。
    • 生育: 秋に発芽し、ロゼット状(地面にへばりつくような姿)で冬を越し、春に花を咲かせます。
  • 名前の由来:キュウリグサの標準和名に「キュウリ(胡瓜)」がつくのは、葉や茎を揉むとキュウリのような香りがすることに由来します。
    • 見た目にはキュウリの要素は全くありませんが、「匂い」という特徴からこの名前が付けられました。

 

クサイチゴ(草苺): 

  • 特徴:クサイチゴは、日本の山野に自生するバラ科の落葉低木です。他のイチゴ類と同様、美味しい果実をつけます。
    • 葉: 3つの小葉からなる複葉で、葉の縁にはギザギザがあります。
    • 花: 春に白い花を咲かせます。
    • 実: 初夏には、赤くて甘い、小さなイチゴのような実をつけます。
  • 標準和名に「草」や「苺」がついた由来:クサイチゴという名前は、その植物の性質と果実の形からつけられました。
    • 「イチゴ(苺)」の由来: つける果実が、一般的なイチゴやキイチゴ類に似ており、甘く食べられることから名付けられました。
    • 「クサ(草)」の由来: イチゴの仲間には、木のように茎が太くなるものも多い中で、クサイチゴは茎が細く、全体として草のような姿をしていることから、他の木イチゴ類と区別するために名付けられました。

つまり、「草のような姿をしたイチゴ」というのが、この名前の由来となります。

 

ゴマ(胡麻)

イヌゴマ:

  • 特徴:イヌゴマは、シソ科イヌゴマ属に分類される多年草です。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 山野の湿った場所や川のほとり、水田のあぜ道などに自生します。
    • 草丈: 高さ40〜100cmほどになります。茎は四角形で、毛が生えています。
    • 花: 8月から9月にかけて、茎の先に小さな淡紅紫色の花を段々に多数つけます。花冠は唇形で、上下に分かれます。
    • 葉: 葉は披針形または広披針形で、縁には鋭い鋸歯があります。
  • 和名に「胡麻」がつく由来:標準和名である「イヌゴマ(犬胡麻)」は、その葉の形がゴマに似ていることから名付けられました。
    • 「犬(イヌ)」: 「役に立たない」「似て非なるもの」という意味で、他の植物名と組み合わせて使われる接頭語です。
    • 「胡麻(ゴマ)」: ゴマ科のゴマ(胡麻)の葉に似ていることから名付けられました。

つまり、イヌゴマは、ゴマの葉に似ているけれど食用にはならないため、「犬胡麻」という名前がつけられました。

 

サクラ(桜)

サクラソウ(桜草):

  • 特徴:サクラソウは、日本の湿地や野山に自生する多年草です。古くから園芸植物としても親しまれており、現在は国の絶滅危惧種にも指定されています。
    • 葉: 根元から出る葉は、手のひらのように丸みを帯びており、しわが多いのが特徴です。
    • 花: 春に細長い花茎を伸ばし、その先に数個の花を咲かせます。花の色は薄いピンクや紫、白などがあります。
  • 標準和名に「桜」がついた由来:サクラソウという名前は、その花の形が桜(サクラ)の花に非常によく似ていることから名付けられました。
    • 花弁が5枚あり、それぞれが中央で深く切れ込んでいる形が、桜の花びらにそっくりです。
    • 全体的に可憐で愛らしい印象も、桜の持つイメージと重なります。

「桜の花に似た草」というのが、この名前の由来です。

サクラタデ:

  • 特徴:サクラタデは、タデ科イヌタデ属に分類される多年草で、湿地や田んぼのあぜ道などに自生します。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 日当たりの良い湿地や水辺を好み、細長い地下茎を伸ばして増えます。
    • 草丈: 高さ30〜100cmほどになり、タデの仲間の中では比較的大きくなります。
    • 花: 8月から10月にかけて、茎の先に淡いピンク色の小さな花をつけます。花序は細長く、ややまばらに花をつけます。
    • 葉: 葉は披針形で、両面に短毛が生えています。
  • 和名に「桜」がつく由来:標準和名である「サクラタデ(桜蓼)」は、「桜のような花を咲かせるタデ」という意味で名付けられました。
    • 「桜」: タデ科の花は小さくて目立たないものが多いですが、サクラタデはタデの仲間の中では花が大きく、その淡いピンク色と形がサクラの花に似ていることから名付けられました。
    • 「タデ」: タデ科の植物を指します。

 

シバザクラ (芝桜):

  • 特徴:シバザクラは、北アメリカ原産の多年草で、日本では園芸植物として広く親しまれています。
    • 成長の仕方: 地面を這うように広がり、密集したマット状になります。
    • 葉と茎: 細い針のような葉が茎にびっしりとつき、緑のカーペットのようになります。
    • 花: 春に花を咲かせ、ピンクや白、紫などの小さな花が株全体を覆い尽くすように咲き誇ります。
  • 標準和名に「芝」や「桜」がついた由来:シバザクラという名前は、その植物が持つ2つの異なる特徴からつけられました。
    • 「シバ(芝)」の由来: その茎が地面を芝生のように密に這って広がる性質から名付けられました。
    • 「サクラ(桜)」の由来: 花の形が桜の花に似ており、株全体を覆い尽くすほどたくさん咲く様子が、満開の桜並木を思わせることから名付けられました。

つまり、「芝生のように広がる桜に似た花」というのが、この名前の由来です。

 

シバ(芝)

シバザクラ (芝桜):

  • 特徴:シバザクラは、北アメリカ原産の多年草で、日本では園芸植物として広く親しまれています。
    • 成長の仕方: 地面を這うように広がり、密集したマット状になります。
    • 葉と茎: 細い針のような葉が茎にびっしりとつき、緑のカーペットのようになります。
    • 花: 春に花を咲かせ、ピンクや白、紫などの小さな花が株全体を覆い尽くすように咲き誇ります。
  • 標準和名に「芝」や「桜」がついた由来:シバザクラという名前は、その植物が持つ2つの異なる特徴からつけられました。
    • 「シバ(芝)」の由来: その茎が地面を芝生のように密に這って広がる性質から名付けられました。
    • 「サクラ(桜)」の由来: 花の形が桜の花に似ており、株全体を覆い尽くすほどたくさん咲く様子が、満開の桜並木を思わせることから名付けられました。

つまり、「芝生のように広がる桜に似た花」というのが、この名前の由来です。

 

ツバキ(椿)

チャンチン(香椿):

  • 特徴:チャンチンはセンダン科の落葉高木です。
    • 見た目: 葉が大きく、奇数羽状複葉(鳥の羽のように小葉が並ぶ形)で、樹高は20メートルほどにもなります。
    • 香り: 若芽には独特の強い香りがあり、中国や台湾では食用として利用されます。その香りは「香椿(シャンチュン)」という中国名にも表れています。
    • 用途: 中国では若葉を天ぷらや炒め物、おひたしなどにして食べる習慣があります。また、木材は赤褐色で光沢があり、美しい木目が家具材や建築材に利用されます。
  • 名前に「椿」がつく由来:チャンチンという名前は、中国名の「香椿(シャンチュン)」がそのまま日本に伝わったものです。
    • 「椿」の漢字: この漢字は、日本では一般的にツバキ科のツバキ(椿)を指します。しかし、中国では元々、チャンチンやその近縁種であるセンダン科の樹木を指す漢字でした。ツバキを意味するようになったのは日本独自の用法(国訓)です。
    • 「香椿」の意味: チャンチンは中国で「香りのある椿」という意味で「香椿」と呼ばれ、その呼び名がそのまま日本に伝わりました。
    • したがって、チャンチンに「椿」という漢字が使われるのは、中国における「椿」の本来の意味が由来であり、日本のツバキとは植物学的には全く異なる植物です。

ツバキカンザクラ(椿寒桜): 

  • 特徴:ツバキカンザクラは、カンヒザクラ(寒緋桜)とシロヒガンザクラ(白彼岸桜)の自然交配種と考えられているサクラの一種です。
    • 樹形: 小さな落葉高木です。
    • 花: 一重咲きまたは半八重咲きで、鮮やかなピンク色の花を咲かせます。花期は非常に早く、1月から2月頃に開花します。
    • 分類: 植物学的にはバラ科に属するサクラであり、ツバキ(椿)科の椿とは直接的な関係はありません。
  • 標準和名に「椿」や「寒桜」がついた由来:ツバキカンザクラという名前は、その開花時期と、開花時期が同じ別の植物名との組み合わせによってつけられました。
    • 「カンザクラ(寒桜)」の由来: 1月から2月という、非常に寒い時期に開花することから名付けられました。
    • 「ツバキ(椿)」の由来: このサクラは、同じく冬に花を咲かせるカンツバキ(寒椿)とほぼ同じ時期に咲くため、混同される形で「ツバキ」の名が冠されたという説が有力です。植物学的な交配によるものではなく、あくまでも人為的に名付けられたものです。

つまり、「寒椿と同じ時期に咲く寒桜」というのが、この名前の由来です。

ツバキカンザクラ - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/71/Tsubakikanzakura_%28%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%AD%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%AF%E3%83%A9%29_-_20010307.jpg

ツバキソウ(キョウチクトウ科):

  • 特徴:「ツバキソウ」という名前で呼ばれる植物は、正式な標準和名ではありませんが、一般的にキョウチクトウ(夾竹桃)や、その近縁種が該当する場合があります。特にキョウチクトウは、その花の見た目や葉の様子から「ツバキソウ」と呼ばれることがあります。
    • キョウチクトウの主な特徴は以下の通りです。
      • 葉: 細長い葉は、竹の葉に似ていることから「竹」と名付けられました。葉は厚く、光沢があるのが特徴です。
      • 花: 6月から9月にかけて、桃の花に似たピンク、白、赤、黄色などの花を咲かせます。花弁は5枚で、よじれたようなプロペラ状になっています。
  • 和名に「椿」がつく由来:「ツバキソウ」という通称に「椿」という言葉がつく由来は、植物全体の見た目から来る連想です。
    • 「椿(ツバキ)」: キョウチクトウは、葉に光沢があり、花が赤や白、ピンクといった色合いで、ツバキに似ているように見えます。特に、一重咲きの品種では、花びらの形もツバキの花と似ているように感じられることがあります。
    • したがって、「ツバキソウ」という名前は、キョウチクトウ科の植物が持つ「ツバキに似た葉と花」の特徴からつけられた通称であり、キクザキイチゲやフジウツギ、フジナデシコなどのように、見た目から連想される名前であることがわかります。
    • なお、キョウチクトウは植物全体に毒性があるため、扱いには十分な注意が必要です。

 

ニガナ(苦菜)

キクニガナ(菊苦菜):

  • 特徴:キクニガナは、ヨーロッパや西アジアが原産の多年草で、一般的にはチコリとして知られています。
    • 葉: 根元からロゼット状に広がり、苦味があります。栽培品種は野菜として利用されます。
    • 花: 初夏から秋にかけて、タンポポを思わせるような青紫色の美しい花を咲かせます。花は朝開き、午後には閉じる性質があります。
  • 標準和名に「菊」や「苦菜」がついた由来:キクニガナという名前は、その植物の特徴を2つの言葉で表現したものです。
    • 「キク(菊)」の由来: この植物がキク科に属し、タンポポやニガナなどと同じように、菊に似た頭状花序(花が集まって一つの花のように見えるもの)を咲かせることから名付けられました。
    • 「ニガナ(苦菜)」の由来: 葉に強い苦味があることから「苦菜」と名付けられました。ちなみに「ニガナ」は、別の植物(ニガナ属)の和名でもあります。

つまり、「菊の仲間で、苦味がある菜」という意味が込められた名前です。

 

バラ(薔薇)

イワバラ(岩薔薇): 

  • 特徴:イワバラは、ヨーロッパ原産の多年草で、日本では主に園芸品種として流通しています。
    • 「イワバラ」という標準和名を持つ植物の学名は、Helianthemum nummularium(ヘリアンテマム・ヌンムラリウム)です。

      これはヘリアンテマム属に属し、ハンニチバナ科の植物です。

    • 生育環境: その名の通り、岩場や乾燥した日当たりの良い斜面などに自生します。
    • 花: 5枚の花弁を持つ黄色い花を咲かせます。花は小さく、野性のバラに似た可憐な姿をしています。
  • 標準和名に「岩」や「薔薇」がついた由来:イワバラという名前は、その植物の生育環境と花の見た目からつけられました。
    • 「イワ(岩)」の由来: 主に岩場や石の多い場所で育つという性質を表しています。
    • 「バラ(薔薇)」の由来: バラ科には属しませんが、その花弁の形がバラの花に似ていることから名付けられました。

つまり、「岩場に生えるバラのような植物」というのが、この名前の由来となります。

Helianthemum nummularium - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a8/Sonnenr%C3%B6schen.jpg

 

ビワ(琵琶)

イヌビワ:

  • 特徴:イヌビワはビワの仲間ではありません。それぞれの植物の分類は以下の通りです。
    • イヌビワ(犬枇杷): クワ科イチジク属
    • ビワ(枇杷): バラ科ビワ属
    • このように、イヌビワはイチジクの仲間であり、ビワとは異なる科に属しています。
  • 名前の由来:イヌビワの名前に「ビワ」がつくのは、実の形がビワの実に似ているためです。ただし、「イヌ」という接頭語が示すように、ビワほど美味しくなく、品質が劣ると見なされたことから、この名が付けられました。
    • また、イヌビワの実はイチジクに似た甘みがあり、別名をコイチジク(小イチジク)とも呼ばれます。

 

フジ(藤)

キブシ(木藤): 

  • 特徴:キブシは、日本の山野に自生する落葉低木です。春の訪れを告げる、早春に咲く花として知られています。
    • 葉: 楕円形で、縁に鋸歯があります。
    • 花: 葉が出る前に、小さな鐘形をした黄緑色の花が、ブドウの房のように垂れ下がって咲きます。
    • その他: 果実を乾燥させて、古くから黄色の染料として利用されていました。
  • 標準和名に「木」や「藤」がついた由来:キブシという名前は、その花の付き方と植物の性質から名付けられました。
    • 「フジ(藤)」の由来: 花が房状になって垂れ下がる様子が、フジ(藤)の花と非常によく似ていることから名付けられました。
    • 「キ(木)」の由来: フジはつる性の植物ですが、キブシはつる性ではなく木(低木)であることから、区別するために「キ」が付けられました。
    • 「キブシ」は元々、「木の房(きのふさ)」や「木の節(きのふし)」という言葉が転じたものとされ、木に房状の花が咲く様子を表していました。
      その後、この花がフジ(藤)に似ていることから「木藤」という漢字が当てられた、と考えられています。
      そのため、漢字の見た目と実際の読み方が異なる、という珍しい例の一つとなっています。

キブシ - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d9/Stachuurus_praecox_%28200704%29.jpg

フジウツギ(藤空木):

  • 特徴:フジウツギは、フジウツギ科フジウツギ属に分類される落葉低木です。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 山地の谷間や岩場などに自生します。
    • 草丈: 高さ1~3mほどになります。
    • 花: 7月から9月にかけて、茎の先端に細長い円錐形の花序をつけ、そこに多数の小さな花を咲かせます。花は淡い紫色で、わずかに芳香があります。
    • 葉: 葉は卵形で、対生します。
  • 和名に「藤」がつく由来:フジウツギの標準和名「藤空木」は、その花の様子と、同じく落葉低木であるウツギに似ていることから名付けられました。
    • 「藤(フジ)」: 花序が細長く垂れ下がる様子や、その淡い紫色がマメ科のフジの花に似ていることから名付けられました。
    • 「空木(ウツギ)」: 茎の中心部が中空になっていることから名付けられました。ウツギはアジサイ科の植物ですが、フジウツギの枝も中空になっているため、この名がつけられました。

このように、フジウツギはマメ科のフジとは異なる植物ですが、その花の形や色が似ていることから「藤」という名前がつけられたのです。

フジナデシコ:

  • 特徴:フジナデシコは、ナデシコ科ナデシコ属の多年草で、別名をハマナデシコ(浜撫子)ともいいます。主に本州から沖縄にかけての海岸や砂浜に自生します。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 海岸の岩の上や砂地など、塩分を含む場所を好みます。
    • 草丈: 高さ20~60cmほどに育ち、根元は木質化することがあります。
    • 葉: 葉は長楕円形で厚く、光沢があるのが特徴です。
    • 花: 7月から9月にかけて、茎の先端に紅紫色の小さな花を密生させます。花弁は5枚で、先には細かいギザギザがあります。
  • 和名に「藤」がつく由来:標準和名である「フジナデシコ(藤撫子)」は、その花の色に由来しています。
    • 「藤(フジ)」: 花の色が、マメ科のフジの花に似た淡い紫色をしていることから名付けられました。
    • 「撫子(ナデシコ)」: ナデシコ科の植物であることに由来します。

フジナデシコは、その花の色がフジを連想させることから、「藤」という名前がつけられた植物です。また、自生地が海岸であることから、「ハマナデシコ」という別名も広く知られています。

フジバカマ(藤袴):

  • 特徴:フジバカマは、日本や中国に自生するキク科の多年草です。古くから秋の七草の一つとして親しまれています。
    • 葉: 3〜5つに深く裂けています。
    • 花: 秋になると、茎の先にアジサイを思わせるような、淡い紫色や白色の小さな花をたくさん咲かせます。
    • 香り: 生育中はあまり香りませんが、乾燥させると桜餅のような甘く独特な香りがします。
  • 標準和名に「藤」や「袴」がついた由来:フジバカマという名前は、その花の色と葉の形を日本の伝統的なものにたとえてつけられました。
    • 「フジ(藤)」の由来: 花の色が、藤の花の淡い紫色に似ていることから名付けられました。
    • 「ハカマ(袴)」の由来: 深く裂けた葉の形が、日本の伝統的な衣服である袴の、ひだに似ていることから名付けられました。

つまり、「藤の花のような色をした、葉が袴に似た植物」というのが、この名前の由来です。

 

ボタン(牡丹)

ボタンヅル (牡丹蔓):

  • 特徴:ボタンヅルは、日本各地の山野に自生するつる性の落葉低木です。
    • 成長の仕方: つるを伸ばして他の植物に絡みつきながら成長します。
    • 葉: 3枚の小葉からなる複葉で、葉の形は丸みを帯びており、ふちに浅い切れ込みがあります。
    • 花: 夏から秋にかけて、小さな白い花が房になって咲きます。
  • 標準和名に「牡丹」がついている由来:ボタンヅルという名前は、その葉の形と植物の性質から名付けられました。
    • 「ボタン(牡丹)」の由来: 葉の形が、ボタン(牡丹)の葉に非常によく似ていることから名付けられました。ボタンヅルとボタンは科が異なる全く別の植物ですが、葉の形から連想されました。
    • 「ヅル(蔓)」の由来: 植物がツル性であることから、「ヅル」が付きました。

つまり、「牡丹に似た葉を持つつる植物」というのが、この名前の由来です。

ボタンヅル - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9f/Clematis_apiifolia_5.JPG

マツバボタン(松葉牡丹): 

  • 特徴:マツバボタンは、南米原産の、日当たりの良い場所を好む一年草です。
    • 葉: 茎に沿って、松の葉のように細く、多肉質でツヤのある葉を密につけます。
    • 花: 真夏に、牡丹のように幾重にも花弁が重なった、豪華で色鮮やかな花を咲かせます。花は朝に開き、日が陰ると閉じる性質があります。
  • 標準和名に「松」や「牡丹」がついている由来:マツバボタンという名前は、その植物の葉と花の両方の特徴を組み合わせてつけられました。
    • 「マツバ(松葉)」の由来: 葉がマツ(松)の葉のように細長い形をしていることから名付けられました。
    • 「ボタン(牡丹)」の由来: 花の形がボタン(牡丹)の花に似ており、特に八重咲きの品種は、その豪華な姿がボタンを連想させることから名付けられました。

つまり、「松のような葉を持ち、牡丹のような花を咲かせる植物」というのが、この名前の由来です。

 

マツ(松)

マツカゼソウ:

  • 特徴:マツカゼソウは、ミカン科マツカゼソウ属に分類される多年草です。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 山地の林縁や木陰などに自生します。
    • 草丈: 高さ30〜80cmほどになります。
    • 葉: 葉は3回羽状複葉で、小葉は細かく切れ込み、繊細な姿をしています。
    • 花: 8月から9月にかけて、茎の先に小さな白色の花を多数つけます。
  • 和名に「松」がつく由来:標準和名である「マツカゼソウ(松風草)」は、その姿や生育環境に由来します。
    • 「松風」: マツカゼソウの細かく切れ込んだ葉が、風に揺れる様子がまるで松林を吹き抜ける風(松風)の音を連想させることから名付けられました。
    • 「草」: 草本であることからつけられました。

このように、マツカゼソウはマツ科の「松」とは直接的な関係はありませんが、その風情ある姿から、「松林を吹き抜ける風」という情景を連想させる名前がつけられました。

マツバウンラン:

  • 特徴:マツバウンランは、オオバコ科ウンラン属に分類される一年草です。北アメリカ原産で、日本では明治時代以降に帰化した外来種です。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 道端や空き地、草地などに自生します。
    • 草丈: 高さ20〜60cmほどになります。
    • 葉: 茎の下部に細長い線形の葉をつけ、これが最大の由来となります。
    • 花: 4月から6月にかけて、茎の先に青紫色の小さな花をまばらにつけます。花冠は唇状で、上唇は2裂、下唇は3裂します。
  • 和名に「松」がつく由来:標準和名である「マツバウンラン(松葉海蘭)」は、その葉と花の特徴に由来します。
    • 「松葉(マツバ)」: 茎の下部につく葉が、マツの葉のように細く針状であることから名付けられました。
    • 「海蘭(ウンラン)」: 花がゴマノハグサ科のウンランという植物の花に似ていることから名付けられました。ウンランは海岸に自生する植物で、「海辺に咲くランに似た花」という意味で名付けられました。

このように、マツバウンランはマツ科の「松」とは全く異なる植物ですが、その葉の形がマツの葉に似ていることから「松葉」という名前がつけられたのです。

マツバギク(松葉菊): 

  • 特徴:マツバギクは、南アフリカ原産の多肉植物で、乾燥に強いのが特徴です。地面を這うように広がり、春から秋にかけて菊に似た鮮やかな色の花を咲かせます。また、日光が当たらないと花を閉じる性質があります。
  • 標準和名の由来:マツバギクという名前は、その見た目の特徴から「松葉」と「菊」という別の植物名が組み合わされています。
    • 松葉(マツバ): 葉が多肉質で細長く、松の葉に似ていることからきています。
    • 菊(キク): 花の形や花びらが、菊の花に似ていることからきています。

このように、マツバギクは葉と花のそれぞれが、別の植物に似ていることが和名の由来となっています。

マツバボタン(松葉牡丹): 

  • 特徴:マツバボタンは、南米原産の、日当たりの良い場所を好む一年草です。
    • 葉: 茎に沿って、松の葉のように細く、多肉質でツヤのある葉を密につけます。
    • 花: 真夏に、牡丹のように幾重にも花弁が重なった、豪華で色鮮やかな花を咲かせます。花は朝に開き、日が陰ると閉じる性質があります。
  • 標準和名に「松」や「牡丹」がついている由来:マツバボタンという名前は、その植物の葉と花の両方の特徴を組み合わせてつけられました。
    • 「マツバ(松葉)」の由来: 葉がマツ(松)の葉のように細長い形をしていることから名付けられました。
    • 「ボタン(牡丹)」の由来: 花の形がボタン(牡丹)の花に似ており、特に八重咲きの品種は、その豪華な姿がボタンを連想させることから名付けられました。
  • つまり、「松のような葉を持ち、牡丹のような花を咲かせる植物」というのが、この名前の由来です。

 

ミカン(蜜柑)

コミカンソウ(小蜜柑草):

  • 特徴:
    • 分類: コミカンソウ科コミカンソウ属の一年草です。
    • 生育場所: 道端や畑地、庭など、身近な場所によく見られる雑草です。
    • 見た目: 草丈は10~40cmほどで、茎は細く、小さな葉を多数つけます。葉は羽状に並んでおり、夜になると閉じます。夏に小さな花をつけ、その後、緑色で丸い小さな実をつけます。
  • 名前の由来:コミカンソウの標準和名に「ミカン(蜜柑)」がつくのは、その小さな実が蜜柑に似ていることに由来します。
    • 「小(コ)」:実が非常に小さいことを表します。
    • 「蜜柑(ミカン)」:実の形が蜜柑に似ていることからきています。
    • 「草(ソウ)」:草本であることを示しています。

これらのことから、「小さな蜜柑のような実をつける草」という意味でコミカンソウという名前がつけられました。

 

ヤナギ(柳)

ユキヤナギ:

  • 特徴:ユキヤナギはバラ科シモツケ属の落葉低木です。
    • 生育場所: 日本や中国が原産で、川岸の岩場などに自生しています。日本では古くから庭木や公園の植栽として親しまれています。
    • 見た目: 根元からたくさんの枝が弓なりに垂れ下がるのが特徴です。
    • 花: 早春、桜が咲くころに、細く垂れた枝の全体に、雪が降り積もったかのように無数の小さな白い花を咲かせます。この白く可憐な花がこの植物の最大の見どころです。
  • 名前の由来:ユキヤナギの名前は、その見た目を二つの要素に分けて表現したものです。
    • 「雪(ユキ)」: 枝にびっしりと咲く白い小さな花が、まるで雪が降り積もったように見えることに由来します。
    • 「柳(ヤナギ)」: 細くしなやかに垂れ下がる枝の様子が、ヤナギの枝に似ていることに由来します。
  • これらの特徴を合わせて、「雪のように白い花を、柳のような枝につける植物」という意味でユキヤナギと名付けられました。

 

 

ヤマブキ(山吹)

シロヤマブキ:

  • 特徴:シロヤマブキは、バラ科シロヤマブキ属に分類される落葉低木です。日本、中国、朝鮮半島などに自生します。主な特徴は以下の通りです。
    • 生育環境: 山地の林縁や斜面などに自生します。
    • 草丈: 高さ1.5〜2mほどになります。
    • 花: 4月から5月にかけて、枝先に白色の5弁花を1つだけつけます。これはヤマブキが八重咲きになるのに対し、シロヤマブキは必ず一重で咲く点や、ヤマブキが黄色であるのに対し、白色である点で大きく異なります。
    • 実: 実は4つの痩果(そうか)が連なったユニークな形で、黒く熟します。
  • 和名に「山吹」がつく由来:標準和名である「シロヤマブキ(白山吹)」は、その花の見た目と、黄色い花を咲かせるヤマブキに似ていることから名付けられました。
    • 「白」: 花の色が白いことに由来します。
    • 「山吹」: 葉の形や樹形がヤマブキによく似ているためです。

このように、シロヤマブキは、同じバラ科ではありますが、ヤマブキ属ではなくシロヤマブキ属に分類される別の植物です。しかし、その樹形や葉の形がヤマブキと似ており、花の色が白いことから「白いヤマブキ」という意味で名付けられました。

ヤマブキソウ(山吹草): 

  • 特徴:ヤマブキソウは、ケシ科の多年草で、日本や中国などの山地の林床に自生します。高さ30cmほどになり、4〜6月に鮮やかな黄色の花を咲かせます。葉は羽状複葉で、茎や葉を切ると毒性のある黄色い汁が出ます。
  • ヤマブキソウという和名の由来:ヤマブキソウという名前は、山吹という別の植物名と「草」が組み合わさったものです。
    • ヤマブキに似ているから
    • 花の色が、バラ科の低木であるヤマブキの花と同じような鮮やかな黄色であること。
    • 花の形や大きさが、ヤマブキの花に似ていること。
    • これらの共通点から、ヤマブキに似た草であるとして「山吹草(ヤマブキソウ)」と名付けられました。

ちなみに、ヤマブキソウの花弁は4枚ですが、ヤマブキは5枚であり、分類上も異なる植物です。

 

まとめ

これらの例からわかるように、植物の和名に他の植物種名が使われる場合、その植物の特定の部位が他の植物の形に似ていることが多いです。

中には諸説あるものもありますが、それぞれの名前に込められた意味を考えるのも興味深いですね。

興味深いですよ!「標準和名に他の植物名がついた植物」。