今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「熟字訓で表わされる生物名」です。
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「熟字訓」の意味や語源・用例などを深掘りリサーチし、
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「国字」「国訓」と「熟字訓」の違いは?
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熟字訓で表される生物名の例は?
などを明らかにし、その結果を以下の目次に沿ってまとめレポートとしました。
以下の過去コンテンツも参考にしてください。
熟字訓とは
熟字訓とは、「漢字単体の訓読みではなく、その熟語独特の訓読み」をする読み方で、その熟語全体で日本語の固有語(和語)を表現するものです。
- 単体の訓読みではない: 例えば、「蜻」の訓読みは「とんぼ」ではありません。「蛉」の訓読みも「とんぼ」ではありません。
- 熟語全体で読む: 「蜻蛉」の二文字を組み合わせて、初めて固有の和語「とんぼ」という読み(訓)が生まれます。
この点で、熟字訓は「熟語の当て字」という表現も間違いではありません。
日本語の「とんぼ」という音(語)に対して、意味の近い漢字「蜻」と「蛉」を当てたものだからです。
漢字の読み方の分類とその違い
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用語 |
定義 |
特徴 |
例 |
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訓読み |
漢字一字に対して、日本語の固有語(和語)の読みを当てたもの。 |
漢字の意味に着目して読む。日本で最も一般的な読み方の一つ。 |
山(やま)、見(み)る、魚(さかな) |
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熟字訓 |
二字以上の熟語全体に対して、漢字の音訓に関係なく、日本語の和語や外来語の読みを当てたもの。 |
熟語全体で一つの意味と音を持つ。個々の漢字の読みからは類推できない。 |
海月(くらげ)、五月雨(さみだれ)、蜻蛉(とんぼ) |
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国訓 |
漢字一字(または熟語)に対して、中国語の原義から離れて、日本で独自に定着した読み方や意味。 |
読みが日本語の和語である点は訓読みと同じだが、元来の漢字の意味とのずれがある。 |
椿(つばき、中国では別の樹木)、荷(に、荷物)、鮎(あゆ、中国ではナマズ) |
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国字 |
日本で独自に作られた漢字。中国にはない字。 |
読みは必然的に訓読み(または国訓)になる。 |
峠(とうげ)、込(こむ)、鱚(きす) |
「訓読み」「熟字訓」「国訓」「国字」の違い
● 訓読み:漢字一字の意味に日本語の読みを当てる(例:山をやまと読む)。
● 熟字訓:熟語全体で、漢字の読みと関係なく日本語の音に当てる(例:海月でくらげと読む)。
● 国訓:漢字の意味や読みが中国から伝わったものから日本独自に変化したもの(例:中国でナマズを意味する鮎を、日本ではあゆと読む)。
● 国字:日本で独自に創作した漢字そのもの(例:峠という字)。
熟語でも国訓とされる例
「蜻蛉(とんぼ・かげろう)」のような熟字訓は、日本語の音(和語)に漢字を当てたものですが、漢字の意味(トンボ・カゲロウのような虫)とは大きく離れていません。
一方、国訓的な熟語は、漢字の読み方だけでなく、漢字が指す意味自体が日本で独自に変化・発展したもの(例:椿)や、日本で新しく作られた漢字(国字)を含むもの(例:躾)が該当します。
熟語でも国訓とされる例はあります。特に、漢字が持つ本来の意味から離れて、日本で独自の意味や読み方が定着したものが該当します。
熟語が全体として国訓となっている例としては、「しつけ」や「でくのぼう」などが挙げられます。
1.「 躾(しつけ)」という国字が使われた熟語
「躾」という漢字は、中国には存在せず、日本で独自に作られた国字です。しかし、「しつけ」という読み自体は、以下の熟語の形を取ることがあります。
躾道(しつけどう): この熟語は、一般的な日本語としては「しつけ」を意味する一つのまとまりとして機能しており、その基礎となる漢字が国字(国訓的な要素を持つ)であるため、広義の国訓的な熟語と見なされることがあります。
2. 木偶(でく)
「でくのぼう」の「でく」の部分を指し、人形や操り人形を意味する「木偶(もくぐう)」から来ています。
木偶(でく):本来の漢語の読みは「もくぐう」(木の人形)です。しかし、日本語では「でく」と読まれ、そこから転じて「役に立たない人」という意味合いが強くなりました。
この「でく」という音も意味も、漢語の原義から離れて日本で独自の用法が定着したため、国訓的な熟語として扱われます。
熟字訓の生物名
動物の名前には、漢字単体の訓読みから類推できない、熟字訓で読まれるものが非常に多くあります。
熟字訓の動物名を、カテゴリー別にリストアップします。これらの漢字は、複数の文字を組み合わせて、特定の和語(動物名)の音に当てたものです。
熟字訓の生物名リスト
哺乳類
海豹(あざらし):
「海」は「うみ」、「豹」は「ひょう」。
- 漢字表記「海豹(あざらし)」の由来:アザラシに「海豹」という漢字が当てられたのは、その姿や性質ではなく、皮(毛皮)の特徴に由来しています。
- 1. 「豹」が使われた理由:模様の類似性
「豹」という漢字は、猛獣であるヒョウ(豹)を指しますが、同時に「斑点のある模様」や「まだら模様の毛皮」を意味する漢字でもあります。- アザラシの多くは、体表に黒や茶色の不規則な斑点模様を持っています(特にゴマフアザラシなど)。
- この水玉状の斑点模様が、ヒョウの持つ派手な斑紋に似ていると見なされたため、「豹」の字が使われました。
- つまり、「海豹」は、「海にいる、豹の模様を持った獣」という意味で名付けられた熟字訓です。
- 2. トドが「海象」と呼ばれる理由
ご指摘の通り、トド(雄)は体長3メートルにも達し、非常に大きく獰猛です。しかし、トドに当てられた漢字は主に「海馬(とど)」や、「海象(せいうち)」と混同されて使われる「海象(とど)」です。- トドは、その巨体と大きな体格から、馬や象になぞらえられました。特に「海象」は、セイウチとトドのどちらにも用いられ、その巨大さが着目されています。
- 一方、アザラシは、模様の美しさや毛皮の利用が早くから着目されたため、巨大さよりも斑点模様に着目した「海豹」が当てられたと考えられます。
- 1. 「豹」が使われた理由:模様の類似性
- したがって、「海豹」は「獰猛さ」ではなく「模様」に着目した当て字であり、「海にいる、豹柄の動物」という意味で定着した熟字訓です。
海驢・海狗(あしか):
「海」は「うみ」、「驢」は「ろ」
海豚(いるか):
「海」は「うみ」、「豚」は「ぶた」
膃肭臍・海狗(おっとせい):
河馬(かば):
羚羊・氈鹿(かもしか):
川獺(かわうそ):
袋鼠(かんがるー):
(大)熊猫(じゃいあんとぱんだ):
外来語「ジャイアントパンダ」の当て字。パンダと略されるとももある。
海象(せいうち/とど):
「海」は「うみ」、「象」は「ぞう」
海馬(たつのおとしご/とど):
胡獱(とど)
- 個々の漢字の読み:「胡」(えびす/こ)、「獱」(トドの意)
- 熟語全体の読み:「とど」
馴鹿(となかい):
「馴」は「なれる」、「鹿」は「しか」
猫鼬(まんぐーす/まみゅう):
「猫」は「ねこ」、「鼬」は「いたち」
鼯鼠(むささび/ももんが):
土竜・鼴鼠(もぐら):
「土」はつち、「竜」はたつ
山羊(やぎ):
「山」は「やま」、「羊」は「ひつじ」
山鼠・冬眠鼠(やまね):
海獺・猟虎(らっこ):
栗鼠(りす):
小熊猫(れっさーぱんだ):
鳥類
鸚鵡(おうむ):
- 鸚鵡(オウム)という漢字表記は、その鳥の特徴的な行動と、中国における鳴き声からの連想によって当てられました。これは、日本語の「オウム」という和語(または外来語)に漢字を当てた熟字訓(あるいは当て字)にあたります。
- 漢字「鸚鵡」の由来:「鸚鵡」の二文字は、どちらも鳥(オウムやインコなど)を意味し、その特徴を表しています。
- 1. 「鸚」の字が表すもの:オウムの「擬音」
「鸚」という漢字は、元々、中国語でオウムやインコを指す言葉の音を表していたと考えられています。- 漢字の旁(つくり)である「嬰(エイ)」は、環状になったさまや、飾り、泣き声などに関わる意味を持ちます。
- 古代中国では、オウムやインコが人の言葉をまねて鳴く様子から、その鳴き声を「鸚」という音に当てたり、人の言葉を繰り返す鳥の代表としてこの字が使われるようになりました。
- 2. 「鵡」の字が表すもの:オウムの「踊るような動作」
「鵡」という漢字は、オウムやインコが人前で頭を揺らしたり、踊っているように動いたりする様子に由来するとされています。- この字は、鳥が興奮したり、楽しんだりする様子を表すために使われました。
- まとめ:古代中国で、「人の言葉を真似る鳥」や「派手な動きをする鳥」として認識されていたオウムやインコに対し、これらの特徴を持つ漢字「鸚鵡」が当てられました。
- 1. 「鸚」の字が表すもの:オウムの「擬音」
- この熟語が日本に伝来した際、日本でこの鳥を指していた「オウム」という音(和語または外来語)に、この漢字表記が丸ごと当てられる形(熟字訓)で定着しました。
鴛鴦(おしどり):
啄木鳥(きつつき):
鶺鴒(せきれい):
千鳥(ちどり):
- 1. 熟字訓である理由:「千鳥」の読み「ちどり」は、以下のように熟字訓の定義に合致します。
- 固有名詞(和語)への当て字:「ちどり」は、元々「千(ち)」と「鳥(とり)」という和語が複合した「ちとり」が音便化(連濁)した「ちどり」という鳥の和名(固有の名称)が先にありました。
- この和語「ちどり」全体に対して、その数が多いことや群れる性質から、「千」と「鳥」という漢字が丸ごと当てられました。
- このように、熟字(二字)全体で一つの和語を訓読するのが、熟字訓の定義です。
- 「ちどり」の「ち」は、漢字「千」の訓読み「ち」と一致しています。これは偶然ではなく、漢字「千」が持つ「数が多いこと」という意味が、和語「ち」とぴったり合っていたためです。この合致が、熟字訓「千鳥」という表記を生む土台となりました。
雲雀(ひばり):
「雲」は「くも」、「雀」は「すずめ」
杜鵑(ほととぎす):
「杜」は「もり」、「鵑」は「けん」
百舌(もず) :
「百」は「ひゃく」、「舌」は「した」
爬虫類
蜥蜴(とかげ):
「蜥蜴」の漢字一文字ずつの音訓は以下の通りです。
- 蜥:音読みは「セキ」
- 蜴:音読みは「エキ」
これらの読みを組み合わせても、「トカゲ」という音にはなりません。
したがって、「蜥蜴」という熟語全体で、和語の「とかげ」という音に当てて読んでいるため、これは典型的な熟字訓の例となります。
トカゲの語源は、一般に「とかみ(敏噛み)」や「とかく(疾駆く)」など、動きの速さに由来するという説があります。
守宮 / 壁虎(やもり):
「守」はまもる、「宮」はみや
魚類・水生生物・両生類
浅蜊(あさり):
甘鯛(あまだい):
鮟鱇(あんこう):
飯蛸(いいだこ):
石斑魚(いしもち):
栄斑(いたやがい):
伊勢海老(いせえび):
海胆(うに):
海老(えび):
虎魚(おこぜ):
蝸牛(かたつむり):
蝦蟇(がま/ひきがえる):
海月(くらげ):
「海」は「うみ」、「月」は「つき」
海鼠子(このこ):
海鼠腸(このわた):
栄螺(さざえ):
秋刀魚(さんま):
柳葉魚(ししゃも):
「柳」は「やなぎ」、「葉」は「は」、「魚」は「さかな」
太刀魚(たちうお):
- 太刀(たち)が熟字訓である理由:「太刀(たち)」は、以下のような理由で熟字訓に分類されます。
- 特定の和語への当て字:「たち」は、日本古来から存在する「日本刀」を表す和語(日本語固有の言葉)です。
- この和語「たち」に対して、「太」と「刀」という二文字の漢字(熟字)が丸ごと当てられました。
- 音訓の規則からの逸脱:個々の漢字の読みを見ると、「太(タ・タイ)」+「刀(トウ・かたな)」となります。
- 訓読みの組み合わせ(重箱読み)だと「ふと+かたな」や「タチ+かたな」になり、音読みの組み合わせだと「タイ+トウ」となります。
- どの音訓の規則にも当てはまらず、「太刀」という熟字全体で「たち」という固有の読みを持つため、熟字訓と分類されます。
- 特定の和語への当て字:「たち」は、日本古来から存在する「日本刀」を表す和語(日本語固有の言葉)です。
- 熟字訓としての連鎖:この「太刀(たち)」という熟字訓が、さらに別の和語と複合して「太刀魚」という別の熟字訓を形成しています。
- 太刀(たち):熟字訓+魚(うお):訓読み⇒太刀魚(たちうお):熟字訓
- このように、熟字訓とは、語の成立ちや背景(特定の和語が存在したかどうか)が非常に重要になります。
海螺(つぶ):
「海」は海にいること、「螺」は巻貝を指し、海の小さな巻貝を「つぶ」と呼ぶようになった熟字訓です。
海鼠(なまこ):
「海」は「うみ」、「鼠」は「ねずみ」
海星(ひとで):
「海」は「うみ」、「星」は「ほし」
老海鼠(ほや):
目高(めだか):
- 1. 目高(めだか)の読みの分類:「目高(めだか)」は、形式的に見ると「訓訓読み」ですが、語の成立ちと国語学的な分類では熟字訓として扱われます。
- 形式は訓訓読み: 「訓(め)+ 訓(だか)」なので、形式的には訓訓読みです。
- 分類は熟字訓: しかし、動物名や植物名などの和名では、「目高」という熟字全体が「めだか」という和語(固有の名称)を表すために当てられたという実態が重視されます。そのため、この手の固有名詞は熟字訓に分類されるのが一般的です。
- 2. 中国におけるメダカ:中国にもメダカの仲間は生息しています。しかし、漢字表記の「目高」は中国語由来ではありません。
- 生息: メダカ(Oryzias latipes)は東アジアに広く分布しており、日本だけでなく、朝鮮半島や中国東部にも生息しています。
- 中国語名: 中国では、メダカは一般的に「青鱂(チンチアン、qīngjiāng)」や「稲田魚(dàntiányú)」などと呼ばれます。
「目高」は和製: 「目高」という漢字表記は、日本で「頭の上に目が飛び出しているように見える魚」という特徴を表現するために作られた和名に由来します。これは中国の漢字を借りて日本で独自の意味や読みを定着させた例です。
眼張(めばる):
寄居虫(やどかり):
公魚(わかさぎ):
「公」はこう、「魚」はさかな。
昆虫・その他
蜉蝣(かげろう):
蟷螂(かまきり):
「蟷」は「とう」、「螂」は「ろう」
螽斯(きりぎりす):
蜘蛛(くも):
螻蛄(けら):
蟋蟀(こおろぎ):
蜚蠊(ごきぶり):
紙魚(しみ):
団子虫(だんごむし):
「虫(ムシ)が和名につく生き物」については専用コンテンツがありますので、以下のURLを参照ください。
- 「団子虫」は、3つの漢字で構成されていますが、これも熟字訓に分類されます。
- 和語の名称: 「だんごむし」
- 漢字の当て方: 団子(だんご)+虫(むし)
- 熟字訓となる理由:
- 和語の複合: 元々「団子」という和語(丸いもの)に「虫」という和語を複合させた「だんごむし」という和語の固有名詞です。
- 音訓の複合: 個々の読みを分析すると「団(ダン):音」+「子(ゴ):訓(連濁)」+「虫(むし):訓」となり、形式的には複雑ですが、「だんごむし」という名称全体が先行して存在し、それに「団子虫」という漢字表記を当てたという実態が重視されます。
- 団子の特殊性: 「団子(だんご)」自体が、和語の「だんご」に漢字を当てた熟字訓の側面を持つため、「団子虫」も全体として熟字訓とされます。
天道虫(てんとうむし):
蜻蛉(とんぼ・かげろう):
「蜻」は「せい」、「蛉」は「れい」
蛞蝓(なめくじ)
蚯蚓 (みみず):
「蚯」は「きゅう」、「蚓」は「いん」
螽蟖(ばった):
孑孑(ぼうふら):
「孑」は「けつ」
馬陸(やすで):
壁蝨(やまひる):
「壁」は「へき」、「蝨」は「しつ」
植物
木通(あけび):
菖蒲(あやめ):
紫陽花(あじさい):
碇草(いかりそう):
熟字訓は、2字以上の漢字の組み合わせ(熟字)を、その漢字一字一字の音読みや訓読みではなく、全体で一つの日本語の訓(読み方)に対応させたものです。
この場合、「碇草」を「いかりそう」と読むのは、
「碇(いかり)」
「草(そう)」
というそれぞれの漢字の読みを組み合わせたものではなく、「いかりそう」という植物の名前としてまとまった読み方を与えているためです。
ちなみに、「いかり」は船を繋ぎ止める碇のことで、この草の花の形が船の錨(いかり)に似ていることからこの名前がついています。
漢字では錨草と書くこともあります。
- この「ソウ」は、単に「草(ソウ)」という音読みをくっつけたのではなく、和語(日本語)の音変化によるものだと考えられています。
- 元々の和語の複合語: 「碇の形のくさ」→ 「いかりくさ」(訓+訓)
- 音便化(連濁)による変化: 和語の複合語の後半「くさ」が連濁によって濁音化・音便化を起こし、「いかりぐさ」や、さらに変化して「いかりそう」という音になった。
- つまり、「いかりそう」は「訓(いかり)+音読み(ソウ)」という形式論的な分類よりも、「碇草」という熟字全体で特定の和語「いかりそう」を表現しているという実態が優先されます。
独活(うど):
女郎花(おみなえし):
「女」はおんな、「郎」はおとこ、「花」ははな
- 女郎花(オミナエシ)は、秋の七草の一つに数えられる、オミナエシ科オミナエシ属の多年草です。
- オミナエシの特徴:オミナエシの主な特徴は以下の通りです。
- 分類 オミナエシ科オミナエシ属の多年草
- 開花期 夏から秋(8月~10月頃)
- 花 茎の頂で枝分かれし、小さな黄色の花を多数つけます。この黄色い花の姿が、オミナエシを象徴する特徴です。
- 香り 独特の香りがあり、発酵した味噌や醤油のような匂いと表現されることもあります。この香りが苦手な人もいます。
- 用途 古くから観賞用として愛され、秋の風情を醸し出します。生け花や茶花としても用いられます。
- 漢字表記「女郎花」の由来:「女郎花(おみなえし)」という熟字訓(漢字の音訓とは関係なく、熟語全体で和語を読む)が当てられた由来には、その花が持つ美しさと、かつて日本の男性が食していた粟(あわ)との対比に基づいた説が有力です。
- 1. 「女飯(おんなめし)」が転じた説 (有力)
「女郎花」は、元々「女飯(おみなめし)」または「をみなえし」と呼ばれていたものが転じたという説が最も有力です。- 男飯(おとこめし): かつて男性が食べる固い食事として、粟飯(あわめし)を指しました。
- 女飯(おみなめし): 女性が食べる柔らかい食事として、米飯(ご飯)を指しました。
- オミナエシの黄色い小さな花の房が、炊いた粟(あわ)の粒のように見えることから、「粟飯」に見立てて「をみなえし」と名付けられました。
- そして、その花が柔らかく優美な雰囲気を持っているため、「女飯」の字が当てられたり、「女」の字を用いて「女郎花」と表記されるようになったと考えられています。
- 2. 「美人」に例えた説
オミナエシの優しくたおやかな姿や、黄色い花が咲き誇る様子が、容姿端麗な女性(女郎)を思わせるとして、「女郎花」の漢字が当てられたという説もあります。
- 1. 「女飯(おんなめし)」が転じた説 (有力)
いずれにしても、その名前と漢字には、優美さや柔らかさといった女性的なイメージが重ねられています。
桔梗(ききょう):
蒟蒻(こんにゃく):
山茶花(さざんか):
「山」はやま、「茶」はちゃ、「花」ははな
羊歯(しだ):
菖蒲(しょうぶ):
- サトイモ科の植物である「ショウブ」という和語全体に対して、「菖蒲」という二文字の漢字を当てたものです。
- 「ショウブ」という音は、漢字の音読みの組み合わせである「ショウ(菖)+ブ(蒲)」と完全に一致しています。
- しかし、これは中国から伝わった漢語ではなく、日本で古くから使われてきた和語の植物名です。そのため、その漢字表記も日本語の植物名である「ショウブ」に当てられたものと見なされます。
- 「音読みの組み合わせと同じ音になった和語」という点では、「碇草」と同様に、形式的には音読みの熟語に見えても、その実態から熟字訓として分類されることがあります。
蒲公英(たんぽぽ):
土筆(つくし):
女貞(ねずみもち):
- ネズミモチ(女貞)は、モクセイ科イボタノキ属の常緑低木または小高木です。
- 実(果実):秋に熟し、冬まで枝に残る楕円形(だえんけい)の黒い実をつけます。この実がネズミの糞に似ていることが、和名の「ネズミモチ」の由来とされています。
用途 生垣や庭木として利用されます。公害や病害虫に強く、丈夫なため都市部でもよく見られます。
- 実(果実):秋に熟し、冬まで枝に残る楕円形(だえんけい)の黒い実をつけます。この実がネズミの糞に似ていることが、和名の「ネズミモチ」の由来とされています。
- 漢字表記「女貞」の由来:ネズミモチに「女貞(ねずみもち)」という漢字が当てられているのは、中国名の「女貞(ニュージェン)」に由来します。これは、実が薬用(強壮作用など)に利用されていたことと、その植物の性質にちなんだものです。
- 「女貞」という名がつけられた由来には、以下の説があります。
- 貞節な女性の象徴:
「貞」は貞節(ていせつ)や変わらないことを意味します。この植物が冬でも葉を落とさず、常に青々としている(常緑である)様子や、厳しい冬に耐えて実をつける強さが、貞節な女性の美徳に例えられました。 - 薬効との関連:
ネズミモチの成熟した果実は、漢方で「女貞子(にょていし)」と呼ばれ、滋養強壮薬として利用されていました。この薬効が、体を丈夫にし、女性を健康に保つというイメージと結びついたという説もあります。 - 中国で「女貞」と呼ばれていた植物が日本に伝わり、日本名(和名)の「ネズミモチ」に対して、その音読みとは無関係に「女貞」という漢字を当てる熟字訓として定着したものです。
薔薇(ばら):
向日葵(ひまわり):
時鳥草・杜鵑草(ほととぎす):
植物のホトトギスの漢字表記
紅葉(もみじ):
「紅」はくれない、「葉」はは
吾亦紅(われもこう):
まとめ
これらの生物名は、漢字のそれぞれの音読み(例:「海」=カイ、「豚」=トン)や、単体の訓読み(例:「海」=うみ、「豚」=ぶた)からでは「いるか」という読みを導くことができません。
複数の漢字を一つの意味のまとまりとして捉え、日本語の固有語である生物名に当てた点が、典型的な熟字訓です。
興味深いですよ!「熟字訓で表される生物名」。



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