今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、その標準和名(カタカナ表記)にネコ(猫)がつく生き物です。
以下の「動植物名シリーズ4部作」の中から、ネコ(猫)が引用されている例を抜き出し、改めて再編集したものです。
「動物名が冠されている植物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてあり
ますので参照ください。
「他の動物名が冠されている動物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。
「植物名が冠されている動物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。
「他の植物名がついた植物」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。
「熟字訓(漢字表記)で表わされる生物名」に関しては、以下のリンク先にまとめレポートしてありますので参照ください。
生き物(動植物等)の和名には、ネコ(猫)が冠されているものが数多く存在します。それは、その生き物とネコ(猫)との間に何らかの関係性が見られる場合に名付けられることが多いです。
以下に、「和名にネコ(猫)がつく生き物」を列挙し、その動物の特徴やそれぞれの命名の由来を説明します。
- アジアンバンブルビーキャット:
- ウミネコ(海猫):
- エゴノネコアシ(アブラムシ):
- キャッツテール:
- ジャイアントパンダ((大)熊猫):
- ジャコウネコ(麝香猫・鼬猫):
- ネコギギ:
- 猫草(ねこぐさ・ねこくさ):
- ネコザメ:
- ネコジタウミウシ:
- ネコジャラシ(猫じゃらし):
- ネコドリ(猫鳥):
- ネコノシタ(猫の舌):
- ネコノチチ(猫の乳):
- ネコノヒゲ(猫の髭):
- ネコノメソウ(猫の目草):
- ネコハエトリ:
- ネコハギ(猫萩):
- ネコヤナギ(猫柳):
- ブラックキャット(黒猫):
- フクロネコ:
- ブルーキャッツアイ:
- マングース(猫鼬):
- レッサーパンダ(小熊猫):
- まとめ
「和名にネコ(猫)がつ生き物」を五十音順に掲載してあります。
アジアンバンブルビーキャット:
「アジアンバンブルビーキャット」という生物は、ナマズの仲間で、正確にはアジアのギギ科に属するナマズの一種です。学名はPseudomystus siamensisといいます。
- アジアンバンブルビーキャットの特徴
- 容姿:体はナマズ特有の寸胴な体型をしており、サメを思わせるような体形とも評されます。
- 最も大きな特徴は、和名(アジアンバンブルビーキャット=アジアのクマバチナマズ)の由来ともなっている鮮やかな黄色と黒の縞模様です。この模様がクマバチ(Bumblebee)を連想させます。
- 口元にはナマズ特有のひげ(口ひげ、barbels)があります。
- 体長は約15cm程度まで成長します。
- 生態:
- 原産地はタイのチャオプラヤ川やメコン川などの東南アジアです。
- 主に夜行性で、日中は流木や岩陰などに隠れていることが多いです。
- 肉食性(または雑食寄り)で、成長すると気性が荒くなる傾向があり、口に入るサイズの魚は捕食してしまうことがあるため、飼育下での混泳には注意が必要です。
- 容姿:体はナマズ特有の寸胴な体型をしており、サメを思わせるような体形とも評されます。
- 和名に「キャット(猫)」がつく由来:アジアンバンブルビーキャットを含む「ナマズ(Catfish)」の仲間全般にCat(猫)という名がつけられている由来は、その特徴的な口ひげ(barbels)にあります。
- ナマズの口元にあるひげが、猫のひげ(cat's whiskers)に似ているため、「Catfish(キャットフィッシュ)」と呼ばれるようになりました。
- したがって、「アジアンバンブルビーキャット」という名前は、「アジアに生息する」「クマバチのような縞模様を持つ」「ひげが猫に似たナマズ」という意味合いで名付けられています。
ウミネコ(海猫):
ウミネコは、日本の沿岸で一年中見られるカモメ科の鳥で、その名前は特徴的な鳴き声に由来しています。
- ウミネコ(海猫)の和名の由来:ウミネコが「海猫」と書かれるように、その和名に「猫」がつく最大の理由は、鳴き声が猫の鳴き声に似ているためです。
- 繁殖期などに聞かれる鳴き声は、「ミャーオミャーオ」や「アーオ」といった、低く太い、まるで猫の鳴き声のような独特の響きを持っています。この特徴から、カモメの仲間でありながら「ウミネコ」と名付けられました。
- ウミネコの主な特徴とカモメとの見分け方
- ウミネコはカモメの仲間であるため外見がよく似ていますが、以下のようないくつかの明確な特徴から識別することができます。
- 1. 外見上の特徴
- 尾羽(おばね):成鳥の尾羽に太い「黒い帯」があるのが最もわかりやすい特徴です。英名も「Black-tailed Gull(黒い尾のカモメ)」といいます。
- くちばし(嘴):黄色いくちばしの先端に「黒帯」と「赤い斑点」がはっきり入っています。
- 足の色:足は黄色です。
- 目つき:虹彩(瞳の周り)が淡色で、目の周りに赤いアイリングがあるため、カモメに比べて目つきが鋭く見えます。
- 1. 外見上の特徴
- 2. 鳴き声による見分け方
- ウミネコ:「ミャーオミャーオ」「アーオ」などと、猫のように低く太い声で鳴きます。
- カモメ(一般的なカモメ):ウミネコよりも高音で甲高い声で、「キュッキュッ」「クゥー、クゥー」などと鳴く傾向があります。
- 3. 生態・習性による見分け方
- 渡りの習性:ウミネコは日本国内で繁殖し、一年中同じ地域に留まる「留鳥」の性質が強いです。
- 一方、日本の沿岸で見られるカモメの多くは、繁殖地である北方から秋に渡ってきて、春に帰っていく「渡り鳥(冬鳥)」です。
- ウミネコはカモメの仲間であるため外見がよく似ていますが、以下のようないくつかの明確な特徴から識別することができます。
- 食性:魚類や甲殻類、昆虫、動物の死骸など何でも食べる雑食性です。
エゴノネコアシ(アブラムシ):
エゴノネコアシは、それ自体が独立した生物ではなく、「虫こぶ(虫えい)」の一種であり、特定のアブラムシ(エゴノネコアシアブラムシ)がエゴノキの枝に寄生することで形成される植物の異常な成長部分です。
その特徴と、和名に「猫」がつく由来についてご紹介します。
- エゴノネコアシの特徴と見分け方:エゴノネコアシは、アブラムシとエゴノキの関係から生まれる独特な構造物であり、特に夏の時期に目につきます。
- 1. エゴノネコアシの特徴
- 形成部位と形:エゴノキの枝の先端(芽の部分)に形成されます。見た目は、バナナの房のような形をした、複数のコブが集まったような構造です。一つ一つのコブがアブラムシの部屋(虫室)になっています。
- 色と大きさ:形成されたばかりの若いものは黄緑色をしており、成長すると長さ約3cmほどの大きさになります。秋が深まるにつれて、こげ茶色に変色し、先端が割れてアブラムシが飛び出します。
- 正体:虫こぶの中には、エゴノネコアシアブラムシの雌が無性生殖で生み出した無数の幼虫が詰まっています。このアブラムシは、エゴノキ(一次宿主)とイネ科のアシボソ(二次宿主)の間で生活史を完結させるという、複雑な生態を持っています。
- 2. 見分け方(エゴノキの他の部分との区別):エゴノネコアシは、エゴノキの果実や蕾と間違われることがありますが、以下の点で見分けることができます。
- 付いている時期と場所:初夏から夏にかけて、エゴノキの枝の先端にバナナの房状のコブが付いていたら、それがエゴノネコアシです。エゴノキの果実(実)は、より丸く、単独でぶら下がります。
- 形:複数の小さなコブが集合した肉球のような独特の形状をしていれば、虫こぶであるエゴノネコアシと判断できます。
- 1. エゴノネコアシの特徴
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和名に「猫」がつく由来:「エゴノネコアシ」という和名に「猫」がつく理由は、その虫こぶの形そのものにあります。
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この虫こぶが、まさに猫の足の裏、特に「肉球(にくきゅう)」を思わせる形をしているため、「エゴノキ」にできる「猫の足」の形をした虫こぶ、という意味で「エゴノネコアシ」と名付けられました。
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エゴノキ自体は、果実にえぐみ(エゴイ味)があることから名付けられたとされますが、この虫こぶの名前は純粋に、その愛らしい形状から来ています。
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キャッツテール:
「キャッツテール」は、鮮やかな赤い花穂が特徴的な植物です。その名前の由来は非常にわかりやすいものです。
- キャッツテールという生物(植物)の特徴:キャッツテール(Cat's tail)は、トウダイグサ科アカリファ属に分類される熱帯性の非耐寒性多年草(日本では一年草扱いになることが多い)です。別名を「アカリファ」ともいいます。
- 1. 外見上の特徴
- 花穂(かすい):最も目を引く特徴は、春から晩秋にかけて長く咲く真っ赤な花穂です。長さは5〜10cmほどで、雄花が集まって穂状になったもので、花弁はなく、多数の赤い雄しべがフサフサと集まっています。
- 草姿:草丈は低めで、茎が横に這うように伸びる「匍匐性(ほふくせい)」の性質を持ちます。このため、鉢植えやハンギングバスケットに植えると、枝垂れるように花穂をつけます。
- 葉:葉は柔らかい卵形で、縁に細かい鋸歯(きょし)があります。
- 2. 生態・習性
- 原産地:西インド諸島などの熱帯・亜熱帯地域。
- 開花期:温度さえあれば一年中咲き続ける「四季咲き性」を持ち、日本では主に春から晩秋まで長期間花を楽しむことができます。
- 1. 外見上の特徴
- 和名に「猫」がつく由来
キャッツテールという和名(正確には英名からくる通称)に「猫」がつく由来は、その花穂の見た目そのものです。- 花穂が、まるで猫の「ふさふさとした尻尾(Cat's tail)」のように見えることから、この名前が付けられました。
- 愛らしい真っ赤で柔らかな花穂が風に揺れる様子は、遊び好きな猫が尻尾を振っているようにも見え、その愛嬌のある姿が人気の理由の一つとなっています。花言葉には、「気まま」「上機嫌」など、猫を連想させるものも含まれています。
ジャイアントパンダ((大)熊猫):
ジャイアントパンダは、世界中で愛されるユニークな動物ですが、その和名(中国名)には、意外にも「猫」の文字が含まれています。
- ジャイアントパンダの主な特徴:ジャイアントパンダ(大熊猫)は、クマ科に分類される哺乳類で、中国固有の希少動物です。
- 1. 外見的な特徴
- 体色:白と黒の明確なツートンカラーが最大の特徴です。体は白く、耳、目の周り、肩から前肢、そして後肢が黒い毛で覆われています。
- 体型:丸みを帯びた大きな体と、短い尾を持っています。クマ科の中では比較的ずんぐりとした体型です。
- 「第6の指」:竹を掴んで食べるために、前肢に突起状の骨が発達しており、これは「偽の親指」や「第6の指」と呼ばれています。
- 2. 食性と生態
- 食性:分類学上は肉食目(ネコ目)に属しますが、食性はほぼ完全に草食で、主食は竹や笹です。一日の大半を食事に費やし、大量の竹を消費します。
- 生息地:中国の四川省などの山岳地帯に生息し、特に竹林を好みます。
- 習性:単独で行動することが多く、穏やかな性質ですが、本来は木登りが得意で、木の上で休息することもあります。
- 1. 外見的な特徴
- 「ジャイアントパンダ」の和名に「猫」がつく由来:ジャイアントパンダの和名(日本語で「パンダ」という動物を指すときの背景)や中国名に「猫」がつく由来は、「レッサーパンダ」と密接に関係しています。
- 1. 中国名から見る由来:ジャイアントパンダの中国語名は「大熊猫(ダーシォンマオ)」です。
- 「大(ダー)」は大きい、「熊(シォン)」はクマ、「猫(マオ)」はネコを意味します。
- つまり、「大きなクマのようなネコ」あるいは「大きなパンダ」という意味になります。
- この名前が付けられたのは、ジャイアントパンダが発見されるより前に、同じく竹を食べる「レッサーパンダ」がすでに知られており、レッサーパンダが「小熊猫(シャオシォンマオ)」と呼ばれていたからです。ジャイアントパンダは、レッサーパンダによく似た食性を持つ大きな動物として区別され、「大」熊猫と呼ばれるようになりました。
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2. レッサーパンダの別名が起源:また、レッサーパンダにはかつて「猫熊(マオシォン)」という別名がありました。これは、レッサーパンダの顔が猫に似ている、または「ネコ目」に属する、あるいは木に登る姿が猫に似ているといった理由から付けられたと言われています。
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この「猫熊(パンダ)」が「元祖パンダ」であり、後から発見されたジャイアントパンダに「大」が付けられたため、その和名(中国名)に「猫」の字が残ることになったのです。
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- 1. 中国名から見る由来:ジャイアントパンダの中国語名は「大熊猫(ダーシォンマオ)」です。
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見分け方:ジャイアントパンダとレッサーパンダ
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ジャイアントパンダとレッサーパンダは、見た目も分類も異なりますが、以下の点で見分けるのが確実です。
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大きさ:ジャイアントパンダは体重80kgを超える大型動物ですが、レッサーパンダは体重4〜6kg程度の小型動物です。
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体色:
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ジャイアントパンダ:白と黒のツートンカラーです。
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レッサーパンダ:赤茶色の毛皮で覆われ、顔には白と黒の模様があります。
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分類:
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ジャイアントパンダはクマ科、レッサーパンダはレッサーパンダ科(独立した科)に分類されます。
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見た目や食性が似ているのは「収斂進化」によるものです。
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ジャコウネコ(麝香猫・鼬猫):
ジャコウネコは、その名前から猫の仲間だと誤解されがちですが、実際にはネコ科とは異なる独自の「ジャコウネコ科」に分類される動物です。
- ジャコウネコの特徴:ジャコウネコは、主にアジアやアフリカの熱帯地域に生息する哺乳類です。
- 1. 外見的な特徴
- 分類:哺乳綱 食肉目 ジャコウネコ科に属します。イエネコ(ネコ科)よりも、マングースやジャッカルに近いグループだとされています。
- 体型:体長は40cmから70cmほどで、細身でしなやかな体つきをしており、見た目は猫とイタチの中間のような印象です。鼻先はやや長く、がっしりとしています。
- 毛色と模様:多くの種で毛色は灰色や茶色が基本ですが、体に縞模様や斑点を持つことが多く、この模様が特徴的です。
- 習性:夜行性のものが多く、木登りが得意で、柔軟な体と鋭い爪を使って生活します。
- 2. 食性と有名な逸話
- 食性:主に雑食性で、昆虫、鳥の卵、小動物、そして果実などを食べます。
- コピ・ルアク:一部のジャコウネコ(特にパームシベット)は、コーヒーの果実を好み、消化しきれなかった種子(コーヒー豆)を糞として排泄します。
この排泄物から採れる希少なコーヒー豆が「コピ・ルアク」として高値で取引されています。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ジャコウネコという和名が生まれた背景には、「ジャコウ(麝香)」と「ネコ」という二つの要素が関係しています。
- 1. 「ネコ」がつく由来
- 外見の類似:ジャコウネコは、その体型や顔つきがイエネコに似ていたため、単純に「〇〇ネコ」と名付けられたと考えられます。
- ネコ目(食肉目):分類学上は、イエネコと同じ「食肉目」という大きなグループに属しています。
- 2. 「ジャコウ」がつく由来
- 香料の分泌物:ジャコウネコの最大の特徴であり名前の由来となっているのが、「麝香(じゃこう、ムスク)」に似た特有の臭いを持つ分泌物です。
- 霊猫香(れいびょうこう):ジャコウネコは、肛門近くにある香嚢(こうのう)と呼ばれる分泌腺から、強い臭いのする液(シベット)を出します。この分泌液は、本来は縄張りを示すためのフェロモンやコミュニケーションに使われますが、希釈すると甘く芳醇な香りとなり、古くから「霊猫香(れいびょうこう)」と呼ばれ、香水などの原料として用いられてきました。
- つまり、「ジャコウネコ」という名前は、「麝香に似た香料を出す、猫に似た動物」という意味で名付けられたのです。
- 1. 「ネコ」がつく由来
ネコギギ:
ネコギギは、日本の固有種であるナマズの仲間で、特に希少性が高いことから国の天然記念物に指定されている魚です。
- ネコギギの特徴とギギとの見分け方:ネコギギは、同じナマズ目のギギ科に属する魚ですが、ギギとは異なるいくつかの特徴を持っています。
- 1. 外見的な特徴
- 体型:全長は最大で12cm程度で、ギギよりも全体的に丸みを帯びた、ずんぐりとした体型をしています。
- 口元のひげ:ナマズの仲間らしく、口の周りにひげ(口ひげ)を持っています。これが「ネコ」の名前の由来の一つともなっています。
- 尾びれ:尾びれの切れ込みが深く、近縁種のギギと比較して尾柄(びれと体の間の細い部分)が高いのが特徴です。
- 体色:茶褐色や黒っぽい色をしており、水底の岩などに紛れやすい保護色をしています。
- 2. 見分け方(近縁種のギギとの違い)
- 体型:ネコギギはギギよりも丸みを帯びており、全体的に短い印象があります。
- 生息地:ネコギギは、愛知県、岐阜県、三重県などのごく限られた地域(木曽川水系、庄内川水系など)の清澄な河川にのみ生息しています。
- 臀鰭の条数:専門的な見分け方ですが、ネコギギは近縁種のギギと比較して、尻鰭の軟条(やわらかいトゲ)の数が少ない(14~18本)という違いがあります。
- 3. 生態
- 生息環境:清澄な河川の中流域の、緩やかな流れがあり、大岩や浮き石の下、川岸の洞(うろ)など、隠れられる入り組んだ場所に潜んで生活します。
- 食性:主に水底にいる貝、エビなどの底生動物や、動きの遅い水生昆虫を食べます。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコギギの和名に「猫」がつく由来については、複数の説がありますが、主にその見た目に関係しています。
- 口元のひげ(触覚):ナマズの仲間が持つ口元の長いひげが、猫のひげを連想させることから、「ネコ」の名が冠されたという説が有力です。
- 丸い外見:ネコギギが、近縁種のギギと比べて丸みを帯びた愛嬌のある外見をしていることから、「ネコ」に似た可愛らしいイメージで名付けられたという説もあります。
ちなみに、近縁種のギギは、威嚇する際などに「ギーギー」という音を出すことからその名が付きました。ネコギギは、このギギに似た魚だが、より猫のような特徴がある、という意味合いで命名されたと考えられます。
猫草(ねこぐさ・ねこくさ):
「猫草」は、特定の生物を指す固有の種名ではなく、ネコが好んで食べる草の総称として用いられる言葉です。特定の植物の名前というよりは、用途名・商品名として広く知られています。
- 猫草の特徴と見分け方:猫草として流通しているのは、主にイネ科の穀物の若葉です。
- 1. 種類と外見的な特徴
- 一般的に「猫草」として売られているのは、以下のような種類の若葉です。いずれも見た目は細長く、緑色の葉をしています。
- エンバク(燕麦/オートミール):猫草として最も一般的。葉が柔らかく、栄養価が高いのが特徴です。
- オオムギ(大麦)・コムギ(小麦):エンバクと同様によく使われ、比較的柔らかい食感です。
- ハトムギ(鳩麦):香ばしい香りが特徴で、好む猫もいます。
- エノコログサ(狗尾草/猫じゃらし):自然界に自生しており、穂の部分は猫のおもちゃにもなりますが、市販されている猫草は主に若葉です。
- 2. 見分け方
「猫草」は種によって細かな葉の形や硬さに違いはありますが、いずれもイネ科の幼苗であるため、外見から種を判別するのは難しい場合があります。- パッケージの確認:購入する際は、パッケージに「エンバク」「大麦」など、何の種子の幼苗であるかが記載されているので、そこで種類を見分けます。
- 形状:細く尖った葉が密集して生えているのが一般的な猫草の形状です。
- 3. 猫が食べる理由(役割):猫草は肉食動物である猫の栄養源として必須ではありませんが、猫にとっては以下のような役割があると考えられています。
- 毛玉の排出:毛づくろいで飲み込んだ毛(毛玉)を吐き出す際、猫草の尖った葉が胃の粘膜を刺激し、嘔吐を促す助けになるとされています。
- 整腸作用:豊富な食物繊維が腸を刺激し、便秘の解消や、消化できない毛を便として排泄するのを助ける可能性があります。
- 嗜好品・ストレス解消:単純に草を噛むという行為や、その食感・味を楽しむ「嗜好品」として、気分転換やストレス解消につながるとも言われています。
- 1. 種類と外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:「猫草(ねこぐさ)」という和名(通称)に「猫」がつく由来は、非常にシンプルです。
- 「猫が食べる草」だから:文字通り、猫が好んで食べるために人間が用意する草であることから、「猫のための草」として名付けられました。
- また、英語でも同様に「Cat grass(キャットグラス)」と呼ばれており、この英名が和名(通称)の由来になったとも言われています。特定の種の学術的な名前ではなく、用途をそのまま表した通称です。
ネコザメ:
ネコザメは、その名の通りサメの一種ですが、一般的なサメのイメージとは少し異なる、愛嬌のある特徴を持っています。日本の水族館でもよく展示されている、比較的身近なサメです。
- ネコザメの特徴と見分け方:ネコザメ(猫鮫)は、ネコザメ目ネコザメ科に属する小型のサメで、北西太平洋の浅い海に生息しています。
- 1. 外見的な特徴
- 頭部:最大の特徴は、和名の由来ともなっている頭部の形です。頭が大きく丸みを帯びており、特に目の上に小さな皮膚の隆起(突起)があります。この隆起が、正面から見ると猫の耳のように見えることが、和名の由来とされています。
- ちなみに、英名ではこの隆起を「雄牛の角」に見立てて「Bullhead Shark(ブルヘッド・シャーク)」と呼ばれています。
- 体型:全長は最大120cmほどで、円筒形をしています。一般的なサメのような細長い紡錘形ではなく、泳ぎが遅い底生生活に適した、がっしりとした体型です。
- 歯:前の方の歯は尖っていますが、奥歯は平らな臼歯状(きゅうしじょう)になっています。これは、後述する食性に関わる重要な特徴です。
- 背びれ:背びれには、防御のための鋭いトゲ(棘)があります。
- 頭部:最大の特徴は、和名の由来ともなっている頭部の形です。頭が大きく丸みを帯びており、特に目の上に小さな皮膚の隆起(突起)があります。この隆起が、正面から見ると猫の耳のように見えることが、和名の由来とされています。
- 2. 食性と生態:
- 食性:海底の岩場などに生息し、強い顎と臼歯を使ってサザエやアワビなどの硬い貝類、ウニ、甲殻類を噛み砕いて食べます。このため、「サザエワリ」という別名も持っています。
- 行動:海底でじっとしていることが多く、夜間に活動する夜行性の傾向があります。
- 繁殖:サメでは珍しく、非常にユニークな螺旋(らせん)状の卵殻に包まれた卵を産みます。メスはこのネジ状の卵を、岩の隙間にねじ込むようにして産み付け、流されないように固定します。
- 和名に「猫」がつく由来:ネコザメの和名「ネコザメ」に「猫」がつく由来は、その特徴的な頭部の見た目にあります。
- 目の上の隆起:ネコザメの目の上にある皮膚の隆起が、日本人の目には愛らしい猫の耳のように見えたことから、「ネコザメ(猫鮫)」と名付けられました。
- 顔全体が丸みを帯びており、一般的なサメの獰猛なイメージとは異なり、どことなく愛嬌のある雰囲気を持っていることも、「ネコ」という親しみやすい名前が付けられた背景にあると考えられます。
- 1. 外見的な特徴
ネコジタウミウシ:
「ネコジタウミウシ」は、植物でも魚類でもなく、軟体動物門腹足綱に属するウミウシの一種です。その和名には「猫舌」という言葉が含まれていますが、これは一般的な「猫舌」の意味とは異なる、ウミウシの体の一部が由来となっています。
- ネコジタウミウシの特徴と見分け方:ネコジタウミウシ(正式な種名ではないが、一部の図鑑や愛好家の間で使われる呼称)は、その独特な色と形から、しばしば注目されるウミウシの仲間です。
- 1. ウミウシ全体の特徴
- 分類:巻貝の仲間ですが、成長の過程で貝殻が退化したり失われたりした動物です。
- 体色:鮮やかで多様な色を持つ種が多く、ネコジタウミウシも美しい体色を持つことが多いです。
- 触角(触角):頭部に一対の感覚器官(二次鰓と呼ばれることもある)を持ち、これで水中の化学物質などを感知します。
- 2. 「ネコジタ」と呼ばれる種の特徴と見分け方:「ネコジタ」という名前がつくウミウシは、具体的な単一種を指すよりも、その舌のような器官の形状に特徴があるウミウシに対して使われることが多いようです。
- 「舌」の正体:ウミウシが餌を削り取って食べるために持つ、歯が生えたヤスリ状の器官を「歯舌(しぜつ)」と呼びます。
- 歯舌の形状:ネコジタウミウシと呼ばれる種は、この歯舌の表面や、体表にある舌状の器官の形状が、ザラザラとした猫の舌の表面に似ていることに由来して名付けられたと考えられます。
- 見分け方:ネコジタウミウシを見分けるには、その体表の質感や、口元にある舌状の器官を観察する必要があります。多くは専門家による同定が必要ですが、一般的には、見た目の色や模様に加えて、体の一部がざらついた舌のように見えることが特徴です。
- 1. ウミウシ全体の特徴
- 和名に「猫」がつく由来(「猫舌」の本当の意味):ネコジタウミウシの和名(通称)に含まれる「猫舌」は、人間や猫が熱いものが苦手という意味の「猫舌」とは異なります。
- 由来:ウミウシの摂食器官 ネコジタウミウシの「猫舌」は、上記の「歯舌(しぜつ)」、または体表の一部が、ネコの舌の表面構造に似ていることに由来します。 ネコの舌は、小さなザラザラとした突起(糸状乳頭)で覆われており、これはグルーミングや肉を骨から削ぎ落とすのに使われます。ネコジタウミウシの持つ摂食器官や、体表のざらつきが、このネコの舌の独特な質感に似ていることから、その名が付けられたのです。
- つまり、和名の「猫舌」は「熱いものが苦手」という意味ではなく、「ネコの舌のような表面を持つ」という、ウミウシの形態的な特徴を示しています。
ネコジャラシ(猫じゃらし):
「ネコジャラシ」は、正式な和名ではなく、「エノコログサ(狗尾草)」という植物の一般的な別名(俗称)です。この俗称こそが、その和名(俗称)に「猫」がつく理由となっています。
- ネコジャラシ(エノコログサ)の特徴と見分け方:ネコジャラシことエノコログサは、イネ科エノコログサ属に属する一年草の雑草で、日本全国の道端や空き地で夏から秋にかけて見られます。
- 1. 外見的な特徴
- 花穂(かすい):最も特徴的なのは、茎の先端につく、ブラシや尾のような形をした円柱状の穂です。この穂が、ネコジャラシと呼ばれる由縁です。
- 穂は細かく短い小穂(しょうすい)が密生し、その周りを刺針(ししん)と呼ばれる多数の長い毛のようなものが囲んでいます。この毛のおかげで、穂がフワフワとした見た目になります。
- 色:穂は通常、緑色ですが、熟すと黄色や茶色に変化します。キンエノコロのように穂が黄金色になる種類もあります。
- 茎と葉:茎は細く、草丈は30~80cm程度になります。葉は細長い披針形で柔らかく、イネの葉に似ています。
- 2. 見分け方(近縁種との区別)
- エノコログサにはいくつか近縁種がありますが、一般的に見分けられる特徴としては以下の通りです。
- アキノエノコログサ:エノコログサよりもやや大型で、穂が出る時期が晩夏から秋にかけて遅い傾向があります。
- キンエノコロ:穂が美しい黄金色に熟すのが特徴です。
- 1. 外見的な特徴
- 和名(別名)に「猫」がつく由来:ネコジャラシという別名に「猫」の字が使われる由来は、非常にシンプルで、その穂を猫の視界で振ると、猫がじゃれて遊ぶという行動にあります。
- 猫の遊び道具:フワフワとした穂を揺らすと、猫がそれを獲物と見間違えたり、動きに好奇心を刺激されたりして、夢中になってじゃれつく様子から、「猫をじゃらす草」という意味で「ネコジャラシ」という俗称が全国的に広まりました。
- 【豆知識】本名が「犬」である理由:ネコジャラシの正式な和名である「エノコログサ(狗尾草)」は、実は「犬」が由来です。
- 「犬っころ草」:エノコログサの穂の形が、子犬のふさふさとした尾に似ていることから、「犬の子の草(いぬっころくさ)」と呼ばれ、それが転訛して「エノコログサ」となったとされています。
このように、この植物は、本名(エノコログサ)の由来は「犬」でありながら、遊び道具としての俗称(ネコジャラシ)の由来は「猫」であるという、面白い二面性を持っています。
ネコドリ(猫鳥):
「ネコドリ(猫鳥)」は、主にオーストラリアやニューギニアに生息する鳥、または北米に生息する別の種(Gray Catbird)を指す和名です。どちらの種も、その名前の由来は鳴き声にあります。
ここでは、最も一般的に「ネコドリ」と呼ばれるオーストラリアなどに生息するネコドリ(Green Catbirdなど)の特徴を中心に解説します。
- ネコドリ(猫鳥)の特徴と見分け方:ネコドリは、スズメ目ニワシドリ科ネコドリ属に分類される鳥の総称です。
- 1. 外見的な特徴
- 体型とサイズ:中型のずんぐりとした鳥で、全長は約25〜33センチメートル程度。比較的、太く短い嘴(くちばし)と、長くて力強い脚を持っています。
- 羽色:主に上面が緑色、下面が斑状(まだら模様)の羽色をしています。この緑色の体色は、生息地の熱帯雨林の木々の葉に溶け込むのに適しています。
- 性別:オスとメスは似た羽色をしており、外見から性別を区別することは困難です。
- 分布:オーストラリア東部やニューギニア島に分布しています。
- 2. 見分け方(生態的特徴)
- ネコドリは、近縁種のニワシドリ(庭師鳥)科の仲間でありながら、繁殖における行動様式で見分けることができます。
- 繁殖行動:ニワシドリ科の鳥の多くは、オスがメスを誘うために「アズマヤ(庭)」と呼ばれる凝った求愛のための構築物を地上に作りますが、ネコドリ属の鳥はこれを作りません。
- 社会性:巣以外に建造物を作らず、つがいで縄張り(テリトリー)を持ち、一般的な鳥と同じように一夫一妻制で繁殖します。オスは求愛の際に、他の種類の鳥の鳴きまねをすることがあります。
- 食性:森林性で、主に大小の果実を主食としますが、昆虫や小型のトカゲなども食べます。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコドリの和名「猫鳥(ネコドリ)」および英名「Catbird(キャットバード)」の由来は、その特徴的な鳴き声にあります。
- 猫の鳴き声との類似:ネコドリは、しばしば猫の「ニャー」という鳴き声や、子猫のような甲高い声に似た鳴き声を発することが知られています。
- この独特な鳴き声から、彼らが分類される遥か以前から、現地の住民や鳥類学者によって「猫」の名が冠されるようになったのです。
北米に生息するハイイロネコマネドリ(Gray Catbird)も、地鳴きが猫の「ニャー」という鳴き声に似ているため、同じく「ネコドリ」の一種として扱われることがあります。
ネコノシタ(猫の舌):
葉の感触がユニークな海辺の植物「ネコノシタ(猫の舌)」
「ネコノシタ」という和名を聞くと、動物の猫に関係する生物を想像するかもしれません。しかし、ネコノシタはその名称から動物の仲間と思われがちですが、実際は海岸の砂地に自生するキク科の多年草の植物です。
- ネコノシタの特徴と見分け方:ネコノシタは、主に本州(関東以西)から沖縄、さらには東南アジアの海岸部に広く分布しています。厳しい海浜環境に適応したユニークな特徴を持っています。
- 1. 外見的な特徴
- 生育環境:海岸の砂浜や岩場など、日当たりの良い場所に群生します。
- 茎と草姿:茎は地面を這うように長く伸び(匍匐茎)、節々から根を出して地面に広がるため、群落を形成します。この習性から、砂地をしっかりと固定する役割も果たしています。
- 葉:葉は肉厚で、形は長楕円形や卵形をしています。乾燥や塩分に強い海浜植物特有の性質です。
- 花:夏から秋にかけて、茎の先端に直径2cmほどの黄色い頭花を単生させます。この花が車輪のように見えることから、「ハマグルマ(浜車)」という別名も持っています。
- 2. 見分け方
- ネコノシタを見分ける最も簡単な方法は、その葉の質感を確認することです。
- 触覚による確認:ネコノシタの葉には、非常に短い剛毛が密生しており、触るとヤスリをかけたようにザラザラとした独特な感触があります。
- 生息場所:海岸の砂地に這うように生え、黄色い花を咲かせている植物であれば、ネコノシタである可能性が高いです。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコノシタという和名に「猫」の字が使われているのは、もちろん猫の舌が由来です。
- ザラザラ感の表現:ネコの舌は、毛づくろいや骨から肉を削ぎ取るために、表面に小さなトゲ状の突起(糸状乳頭)が並んでおり、非常にザラザラしています。
- 命名の理由:ネコノシタの葉の表面にびっしりと生えた剛毛が作り出すこの独特のザラザラした触感を、昔の人が最も身近で分かりやすい「猫の舌」に例えて名付けたことが、名前の由来です。
- このように、ネコノシタは、その葉のユニークな肌触りによって、動物の名を冠することになったのです。
ネコノチチ(猫の乳):
「ネコノチチ(猫の乳)」は、その名前が奇妙な響きを持つ一方で、ネコノシタと同様に動物ではなく植物の和名です。
日本の山地などに自生する、クロウメモドキ科の落葉小高木です。
- ネコノチチの特徴と見分け方
ネコノチチは、本州(神奈川県以西)、四国、九州、および朝鮮半島に分布し、主に暖温帯の川岸や谷間の林縁に見られます。- 1. 外見的な特徴
- 樹高:高さ数メートルになる落葉性の小高木(低木と高木の中間)です。
- 葉のつき方:葉の付き方に大きな特徴があり、「コクサギ型葉序」と呼ばれる珍しいつき方をします。これは、右に2枚、次に左に2枚というように、同じ側の枝に葉が対になって互い違いにつく特殊な配列です。
- 花:5月から6月頃、葉の付け根に直径3.5mmほどの黄緑色の小さな花を数個つけます。花は地味で目立ちません。
- 果実:秋に実る果実(核果)は、ネコノチチを特定する上で最も重要な特徴です。長さ8〜10mmほどの円柱状の長楕円形をしており、熟すにつれて緑 → 黄 → 赤 → 黒と色を変化させます。
- 2. 見分け方
- 果実の形と色:秋に、長さ1cm弱の長楕円形で、黄色や赤、黒など様々な色が混在した実をつけている木であれば、ネコノチチである可能性が高いです。
- 葉序(ようじょ):もし葉が残っていれば、コクサギ型葉序(同じ側に2枚ずつ葉がつく特徴的な配列)を確認することで、より確実にネコノチチであると判断できます。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコノチチという非常にストレートな和名は、その果実の形状に由来しています。
- 果実の形:
- ネコノチチが秋につける、長さ1cmに満たない円柱状の長楕円形をした果実を、昔の人が猫の乳首(乳頭)に見立てたことから、「ネコノチチ(猫の乳)」と名付けられました。
- ネコノチチの小さな果実が、細い枝に沿っていくつも並んでつく様子が、仔猫に乳を与える猫の乳房を連想させたのかもしれません。この植物は、このように、人々の観察眼とユーモアから、動物の体の一部を借りたユニークな名前が付けられました。
- 果実の形:
ネコノヒゲ(猫の髭):
「ネコノヒゲ(猫の髭)」は、その名前が示す通り、動物ではなく植物の和名です。シソ科に属する東南アジア原産の多年草で、薬草としても観賞用としても知られています。
- ネコノヒゲの特徴と見分け方:ネコノヒゲは、本来は熱帯地方に自生する多年草ですが、寒さに弱いため日本では主に一年草として扱われます。別名「クミスクチン」としても有名です。
- 1. 外見的な特徴
花の特徴:ネコノヒゲを最も特徴づけているのは、そのユニークな花姿です。唇形をした白い花(稀に薄紫やピンク)が房状に連なって咲きますが、花びら自体よりも、花の外から長く伸びる雄しべと雌しべが非常に目立ちます。- 雄しべと雌しべ:この雄しべと雌しべは、上向きに反りながらピンと真っ直ぐに長く突出しており、その長さは数センチに及びます。
- 草姿:草丈は40〜100cmほどになり、茎はシソ科特有の四角形の断面を持っています。
- 葉:葉は対生し、卵形で縁にはギザギザ(鋸歯)があります。
- 2. 見分け方:ネコノヒゲを見分ける決定的なポイントは、花から長く飛び出した白いヒゲのような器官です。
- ヒゲの存在:花全体のサイズに比べて、白く細長い雄しべと雌しべが目立ち、上向きに反っている姿を確認できれば、他の植物と間違えることはありません。
- 開花時期:初夏から晩秋にかけて、長期間にわたって次々と花を咲かせます。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコノヒゲという和名、そして英名「Cat's whiskers(キャッツウィスカー)」、さらには別名「クミスクチン」(マレー語で「クミス=ひげ、クチン=猫」の意味)まで、すべてが「猫の髭」を意味しています。
- 由来:
花の外に長く、細く、ピンと張って突き出た雄しべと雌しべの姿が、感覚を研ぎ澄ませているかのような猫の真っ直ぐなヒゲにそっくりであることから、「ネコノヒゲ」と名付けられました。 - この植物は、その学名が「Orthosiphon aristatus」(ortho=真っ直ぐ、siphon=管、aristatus=髭のある)と、花の特徴を正確に示していることからもわかるように、世界中の人々にその「ヒゲ」が印象的で魅力的だと認識されてきたのです。
- 由来:
ネコノメソウ(猫の目草):
「ネコノメソウ(猫の目草)」は、主に日本の山地の谷間や沢沿いの湿地に自生するユキノシタ科の多年草です。早春にひっそりと花を咲かせる、地味ながらも愛らしい野草です。
- ネコノメソウの特徴と見分け方:ネコノメソウは、非常に種類が多く、地域によって多くの変種や近縁種が存在しますが、共通する特徴と見分け方をご紹介します。
- 1. 外見的な特徴
- 生育環境:水が染み出るような湿った場所、特に渓流沿いや谷筋の陰湿な環境を好みます。
- 草姿:草丈は5〜20cm程度と非常に背が低く、地面を這うように広がるものが多いです。
- 花と苞葉:花は小さく(直径数mm)、花びら(花弁)はありません。花弁に見えるのは、黄緑色や淡黄色をした萼片(がくへん)です。花の周りにある葉(苞葉)が、開花期に黄色などに色づくのが特徴です。
- 果実:花が終わった後、果実(蒴果:さくか)ができます。これが熟して裂ける際に、和名の由来となる特徴的な姿を見せます。
- 2. 見分け方:ネコノメソウを見分けるには、その生育場所と小さな果実を観察することが重要です。
- 生息場所:春先に、山や沢の縁の湿った日陰で、背の低い植物が小さな淡黄色の花をつけていたら、ネコノメソウの仲間である可能性が高いです。
- 果実の観察(最も重要):花が終わり果実が熟すと、その果実の先端が二つに細く裂けて開きます。この裂け目から中にある小さな種子が見える様子が、猫の昼間の細くなった瞳孔(ひとみ)に酷似しています。この形を確認できれば、ネコノメソウであると断定できます。
- 葉の付き方:ネコノメソウの仲間は、葉が茎に対生するか互生するか、茎に毛があるかないかで見分けますが、基本種であるネコノメソウは葉が対生し、毛がほとんどないのが特徴です。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコノメソウという和名に「猫」がつく由来は、その果実が熟した後の姿にあります。
- 由来:
- 果実が熟し、その上部が深く細く裂けて種子を露出させた状態が、光を浴びて細く縦長になった猫の瞳にそっくりであることから、「ネコノメソウ(猫の目草)」と名付けられました。
- また、花の周囲の葉が、開花に合わせて黄色や緑色に変化する様子を、光に応じて瞬時に瞳孔の大きさが変わる猫の目に見立てたという説も一部にありますが、一般的には果実の裂け目に由来するという説が有力です。
- 春の山歩きで小さなネコノメソウを見つけたら、その足元でひっそりと猫の目を模した果実を探してみるのも楽しいでしょう。
- 由来:
ネコハエトリ:
「ネコハエトリ」は、植物でも魚類でもなく、節足動物門クモ綱ハエトリグモ科に属する小さなクモの一種です。その和名には「猫」の字が入っていますが、これは彼らの行動様式に由来しています。
- ネコハエトリの特徴と見分け方:ネコハエトリ(Carrhotus xanthogramma)は、日本全国の草むらや公園、人家の周辺など、ごく身近な場所で見られるポピュラーなハエトリグモです。
- 1. 外見的な特徴
- サイズ:体長はオス、メスともに7~8mm程度の小型のクモです。
- 体色と模様:
- オス:頭胸部が黒っぽく、腹部は明るい茶褐色で、中央に黒い太い線状の模様が入ります。全身の毛が濃く、特に脚に生えている毛が目立ちます。
- メス:オスよりも全体的に色が明るい茶褐色で、毛深く、腹部の模様もオスほどはっきりしないことが多いです。
- 眼:ハエトリグモ科全体の特徴として、非常に眼が大きく発達しており、前列に並んだ4つの眼(特に中央の大きな2つの眼)が正面を向いています。この大きな眼で獲物との距離を正確に測ります。
- 1. 外見的な特徴
- 2. 見分け方(生態と行動):徘徊性のハンター:ネコハエトリは、一般的なクモのように網を張って獲物を待つことはありません。彼らは低い草や葉の上、壁などをピョンピョンと跳ねるように歩き回り、獲物(ハエなどの小型昆虫)を探し回ります。
- ジャンプで狩り:獲物を見つけると、大きな眼で距離を正確に測り、ゆっくりと忍び寄り、一気に獲物めがけて飛びかかって捕獲します。
- 「しおり糸」:ジャンプで狩りをする際も、必ずお尻から「しおり糸」と呼ばれる細い糸を出し、地面や足場に繋げています。これは、狩りに失敗して落ちそうになった時に命綱となるためです。
- 和名に「猫」がつく由来:ネコハエトリの和名「猫蝿捕(ねこハエトリ)」は、彼らの見た目ではなく、その独特な狩りの動作に由来しています。
- 由来: 彼らが獲物に忍び寄り、獲物との距離を見極めてから、一瞬で飛びかかって捕らえるという一連の捕食行動が、まるでネコ科の動物(猫やトラなど)が獲物を狩る際の動きにそっくりであるため、「ネコ」の名が付けられました。
特に、獲物に気づかれないようにゆっくりと近づき、最後の瞬間に爆発的な力で跳躍する様子は、まさに小さな「ネコ科のハンター」を彷彿とさせます。
- 由来: 彼らが獲物に忍び寄り、獲物との距離を見極めてから、一瞬で飛びかかって捕らえるという一連の捕食行動が、まるでネコ科の動物(猫やトラなど)が獲物を狩る際の動きにそっくりであるため、「ネコ」の名が付けられました。
ネコハギ(猫萩):
「ネコハギ(猫萩)」は、日本の日当たりの良い草地や道端に生えるマメ科の多年草です。秋の七草の一つである「ハギ」の仲間ですが、その姿は地味で、地面を這うように広がるのが特徴です。
- ネコハギの特徴と見分け方:ネコハギは、本州から九州、そして朝鮮半島や中国にも分布しています。
- 1. 外見的な特徴
- 草姿と茎:茎は基部から枝分かれして、地面を長く這うように伸び、時には1mほどにも達します。この匍匐性が特徴的です。
- 毛の多さ:ネコハギの最も際立った特徴は、植物全体(茎、葉、萼など)に軟毛が密生していることです。特に茎には立った長い毛(開出毛)が、葉の裏や縁にも毛が多く見られます。
- 葉:葉はマメ科のハギ類に共通する3枚の小葉からなる複葉です。小葉は小さく、円形に近い形をしています。
- 花:8月から9月頃に、葉の付け根に目立たない黄白色の小さな花を数個つけます。花弁(旗弁)の中央には、紅紫色の小さな斑紋があるのが特徴です。
- 2. 見分け方:ネコハギを見分けるポイントは、「地面を這うハギ」であることと、その「毛深さ」です。
- 匍匐性:他のハギの仲間(ヤマハギなど)が低木で立ち上がるのに対し、ネコハギは地面を這って横に伸びる姿をしています。
- 手触り:茎や葉を触ってみて、柔らかく密生した毛によってザラザラまたはフワフワとした感触があれば、ネコハギである可能性が高いです。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコハギの和名に「猫」がつく由来には、主に二つの説があります。どちらの説も、他の生物の和名との対比や、ネコの持つイメージが関係しています。
- 1. 毛の感触説
- 猫の毛に似た感触:植物全体に柔らかい軟毛が密生しているため、その手触りや見た目が猫の毛並みや猫のぬいぐるみのような印象を与えることから、「ネコハギ」と名付けられたという説です。これは、ネコノシタが「舌のザラザラ感」に由来するのと同様、ネコの持つ触覚的イメージによる命名です。
- 2. イヌハギとの対比説(有力)
- 「犬」に対する「猫」:ネコハギと同じハギ属には、全体に毛が多くて大きい「イヌハギ(犬萩)」という種があります。「イヌ(犬)」という名前は、一般的に「劣る」「価値がない」といった意味合いで付けられることが多いです。
これに対してネコハギは、イヌハギよりも全体的に小さく、地を這うという特徴を持ちます。そのため、「イヌ」ハギの対義語、あるいは小さく愛らしい存在として「ネコ」という名前が付けられたという説が有力です。
- 「犬」に対する「猫」:ネコハギと同じハギ属には、全体に毛が多くて大きい「イヌハギ(犬萩)」という種があります。「イヌ(犬)」という名前は、一般的に「劣る」「価値がない」といった意味合いで付けられることが多いです。
- 1. 毛の感触説
つまり、ネコハギの「猫」は、その毛深さと、同属の「イヌハギ」と区別するための対比表現の両方の意味を持つと考えられます。
ネコヤナギ(猫柳):
「ネコヤナギ(猫柳)」は、日本の河川や渓流沿いの水辺に自生するヤナギ科の落葉低木です。他のヤナギの仲間よりも早く、春の訪れを告げる植物として古くから親しまれています。
- ネコヤナギの特徴と見分け方:ネコヤナギは、北海道から九州まで広く分布し、その愛らしい見た目から庭木や生け花としても人気があります。
- 1. 外見的な特徴
- 生育場所:他のヤナギ類と同様に湿潤な環境を好み、特に水辺や畦道など、根元が水に浸るような場所に多く見られます。
- 春の風物詩:ネコヤナギの最大の特徴は、葉が展開する前の早春(3月〜4月)に、上部の枝に密集してつく花穂(かすい)です。
- 花穂の質感:この花穂は、開花直前に赤い芽鱗(がりん)から顔を出し、銀白色で絹のような柔らかい毛に密に覆われています。このフワフワした姿が、和名の由来です。
- 2. 見分け方:ネコヤナギを他のヤナギや植物と見分けるポイントは、その出現時期と花穂の感触です。
- 時期:春まだ浅い時期に、枝先に葉がない状態で、銀白色の綿毛のようなものをつけている木を見つけたら、ネコヤナギです。ヤナギ類の中で最も開花が早い一つです。
- 形と手触り:その花穂は長さ数センチで、丸みを帯びており、触ると非常に柔らかく温かい感触があります。このフワフワした花穂を指でそっと撫でてみれば、ネコヤナギであることを確信できます。
- 雄株と雌株:ネコヤナギは雌雄異株で、銀白色の毛が剥がれると、雄株は黄色い雄しべを、雌株は緑色の雌しべを覗かせます。花材として人気があるのは、花穂が大きい雄株が多いです。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:ネコヤナギの和名「猫柳」の由来は、その花穂(かすい)の見た目と感触にあります。
- 由来:
- 早春に枝先につく、銀白色でフワフワとした毛に覆われた花穂が、まるで猫の丸まったしっぽや、子猫の毛並みのように見えることから、「ネコヤナギ」と名付けられました。
- 英名も「Pussy Willow」(Pussy=子猫、Willow=ヤナギ)であり、世界的に見ても、この植物の柔らかな毛並みと愛らしい姿が猫に例えられてきたことがわかります。その花言葉の一つに「自由」があるのも、風に揺れる花穂の姿が、気ままに振る舞う猫の様子を連想させるためと言われています。
- 由来:
ブラックキャット(黒猫):
「ブラックキャット」という名前を持つ生物は、主に植物と魚類(ナマズの仲間)の2種類が存在します。どちらも、その見た目のユニークさから英語圏での愛称として「ブラックキャット」と呼ばれています。
- 1. 植物のブラックキャット
- 植物の「ブラックキャット」は、タッカ・シャントリエリ(Tacca chantrieri)というタシロイモ科の植物の英語での通称です。その強烈な見た目から「バットフラワー(コウモリ花)」や「デビルフラワー(悪魔の花)」とも呼ばれます。
- 特徴と見分け方
タッカ・シャントリエリは、熱帯アジア原産の多年草で、非常にエキゾチックな姿が最大の特徴です。 - 花と苞葉(ほうよう):最も目を引くのは、黒紫色(ほとんど黒に見える濃い紫)をした花序です。この黒い部分は、実際には大きな苞葉(花びらのように見える葉)であり、これが猫の大きな耳やコウモリの翼のように見えます。
- 「ひげ」の正体:苞葉から下に長く垂れ下がっている細長いひも状のものは、不稔性花柄(ふねんせいかへい)と呼ばれるもので、花をつけなかった未発達な花茎です。この何本も垂れ下がる姿が、猫の長いひげを連想させます。
- 生育環境:高温多湿を好み、日本では主に観葉植物として温室などで栽培されます。
- 特徴と見分け方
- 和名に猫がつく由来
この植物は、日本での正式な和名はありませんが、英語の通称「ブラックキャット」がそのまま使われることがあります。- 由来:
巨大な黒紫色の苞葉を猫の耳や顔、そしてそこから長く垂れ下がった不稔性花柄を猫のひげに見立てたことに由来します。全体的な暗くミステリアスな雰囲気も「黒猫(ブラックキャット)」のイメージと結びついています。
- 由来:
- 植物の「ブラックキャット」は、タッカ・シャントリエリ(Tacca chantrieri)というタシロイモ科の植物の英語での通称です。その強烈な見た目から「バットフラワー(コウモリ花)」や「デビルフラワー(悪魔の花)」とも呼ばれます。
- 2. 魚類のブラックキャット:魚類の「ブラックキャット」は、主に観賞魚として知られるナマズ目の魚、特にギギ科のいくつかの種を指します。
- 特徴と見分け方:英語圏で「ブラックキャットフィッシュ(Black Catfish)」や「ホワイトテールブラックキャット(Mystus wyckii)」などと呼ばれる種が該当します。ここでは、一般的なナマズ(ギギ目)の特徴を挙げます。
- 外見:体表にウロコがなく滑らかで、ほとんどの種が暗色(黒、暗褐色、黒緑色)をしています。
- ひげ:ナマズ目の最大の特徴は、口の周りにあるひげです。多くの「キャットフィッシュ」は、上顎と下顎、そして鼻に複数対(4対8本など)のひげを持ちます。このひげが、猫のひげに似ていることから英語で「キャットフィッシュ」と呼ばれます。
- 生態:夜行性で、日中は岩陰や水草の間に潜み、夜間に底生生物や小魚を捕食します。
- 和名に猫がつく由来
「ブラックキャット」はあくまで英語圏の愛称です。この魚は、日本のギギやナマズが持つ特徴、すなわち長いひげに由来しています。- 由来:
ナマズ目の魚は、日本語では「ナマズ」、ギギ科の魚は「ギギ」といった和名を持ちます。英語圏では、魚の長いひげ(口ひげ)が猫のひげ(Whiskers)に似ていることから「Catfish」と呼ばれます。
この魚が黒っぽい体色を持つため、「Catfish」に「Black」を冠し、「ブラックキャット」と呼ばれるようになりました。つまり、和名に「猫」がつくのではなく、英語名で「猫」の要素が使われ、それが日本でカタカナ表記として定着したものです。
- 由来:
- 特徴と見分け方:英語圏で「ブラックキャットフィッシュ(Black Catfish)」や「ホワイトテールブラックキャット(Mystus wyckii)」などと呼ばれる種が該当します。ここでは、一般的なナマズ(ギギ目)の特徴を挙げます。
フクロネコ:
「フクロネコ」は、植物でも魚類でもなく、オーストラリアやパプアニューギニアに生息する哺乳類です。
有袋類の一種で、タスマニアデビルやフクロオオカミと同じフクロネコ目(フクロネコ上科)に属する動物群の総称、またはその中の特定の一群(フクロネコ属)を指します。
この動物について、ブログ記事風に特徴と見分け方、和名の由来を解説します。
珍獣「フクロネコ」の魅力に迫る!特徴と見分け方、和名に「猫」がつく理由
- フクロネコは、コアラやカンガルーと同じ有袋類(ゆうたいるい)の仲間でありながら、見た目や生態は私たちになじみ深いネコやイタチに似ている、オーストラリアのユニークな動物です。
- フクロネコの驚くべき特徴と見分け方
フクロネコの仲間にはいくつかの種類がありますが、ここでは代表的な種に共通する特徴をご紹介します。- 1. 外見的な特徴
- サイズと体型:種類によってサイズは幅広く、小型のマウスサイズから、大型のフクロネコ(タイガーキャット)のように家猫大のものまでいます。体型は細長く、イタチやネコに似た、すばやい動きに適した流線形をしています。
- 毛皮の模様:フクロネコの仲間は、体毛に白い斑点(はんてん)が散りばめられているのが最大の特徴です。この模様が、暗い環境でのカモフラージュに役立っています。
- 鋭い歯:彼らは肉食動物であり、その口には鋭い犬歯が並んでいます。この歯は獲物を仕留めるのに特化しています。
- 2. 見分けるポイント(他の動物との違い):フクロネコを見分ける最大のポイントは、やはり「有袋類であること」です。
- メスの育児嚢(いくじのう):カンガルーと同様、メスは育児嚢(お腹の袋)を持ち、生まれたばかりの未熟な赤ちゃんをその中で育てます。これが、フクロネコがオーストラリア固有の哺乳類である証です。
- 木登りの習性:多くのフクロネコは優れたハンターであり、夜間に活動します。特に大型の種は、木に登って生活する習性があり、その姿は野生のネコを彷彿とさせます。
- 細長い尾:尾は細長く、木の上でのバランスを取るために使われますが、種類によっては尾を器用に巻き付けて使うものもいます。
- 1. 外見的な特徴
- 和名に「猫」がつく由来:フクロネコは、オーストラリアの固有種であるため、和名は彼らの最大の特徴である「袋」と、見た目が似ている「ネコ」を組み合わせたものです。
- 「フクロ」の由来:
これは、彼らがコアラやカンガルーと同じ有袋類(お腹に袋を持つ哺乳類)であることに由来します。 - 「ネコ」の由来:
獲物を追いかけるシャープな顔立ち、鋭い爪、そしてすばしっこい動きなどが、私たちになじみのあるイエネコ(家猫)やヤマネコ(山猫)を連想させることから「ネコ」の名が冠されました。
- 「フクロ」の由来:
つまり、フクロネコという名前は、「ネコのように見えるが、実は袋を持った(オーストラリアの)肉食獣である」という、彼らの生物学的な分類と外見的な特徴を端的に示しているのです。
ブルーキャッツアイ:
「ブルーキャッツアイ」は、魚類ではなく、植物の通称として使われる名前です。その名前は、花の中央に入る特徴的な模様に由来しています。
- 植物「ブルーキャッツアイ」の特徴と見分け方:「ブルーキャッツアイ」は、主にオタカンサス・カエルレウス(Otacanthus caeruleus)というブラジル原産の植物の商品名や通称として使われています。
- 1. 外見的な特徴
- 分類:オオバコ科(旧ゴマノハグサ科)オタカンサス属の常緑低木、または多年草として扱われます。
- 花の色と形:初夏から秋にかけて咲く花は、鮮やかな青色から青紫色をしています。花冠は細長い筒状で、先端は上下2枚の唇形に開きます。
- 中央の模様:この花を特徴づけるのが、下側花弁の中央部分に入る白色の斑点(模様)です。この青い花弁と中央の白い斑のコントラストが、和名の由来となっています。
- 別名:英名では「Brazilian Snapdragon(ブラジルのキンギョソウ)」とも呼ばれます。これは、花の形がキンギョソウ(スナップドラゴン)に似ていることに由来します。
- 2. 見分け方:ブルーキャッツアイを見分ける最大のポイントは、その花の模様です。
- 青色と白色の対比:鮮やかな青紫色の花びらの中央に、はっきりと白い部分が入っているのを確認できれば、それが「ブルーキャッツアイ」です。その模様は、まさに青い瞳のようです。
- 草姿:熱帯原産のため耐寒性はなく、日本では鉢植えで管理されることが多いです。直立して枝分かれし、草丈は60cm~1mほどになります。
- 1. 外見的な特徴
- 和名(通称)に「猫」がつく由来:この植物の正式な和名はありませんが、「ブルーキャッツアイ」という通称は、純粋にその見た目に基づいています。
- 由来:
鮮やかな青紫色の花弁と、その中央に入った白色の模様を、宝石のキャッツアイ(猫の目)や、青い瞳を持つ猫の瞳に見立てたことに由来します。
まるで宝石や猫の瞳のように光を反射して輝く青と白のコントラストが、この美しい通称として世界中で親しまれています。
- 由来:
(補足:魚類では、観賞魚のアロワナの仲間などに、品種名や通称として「ブルーキャッツアイ」といった用語が使われることがありますが、これは流通名であり、植物の「ブルーキャッツアイ」とは別のものです。)
マングース(猫鼬):
「マングース」は、植物でも魚類でもなく、食肉目マングース科に属する哺乳類です。その和名である「猫鼬(ねこいたち、またはマングース)」には、彼らの系統と見た目の両方から由来が推測されます。ここでは、マングースの特徴と見分け方、そして和名に「猫」がつく由来を解説します。
- マングースの基本情報と特徴:マングースは、主にアフリカ、南アジア、南ヨーロッパに生息する動物で、特に蛇を恐れないことで有名です。
- 1. 外見的な特徴
- 体型:細長く、胴が低く地面に近い体型をしています。短い四肢と、長くふさふさとした尾を持ちます。見た目はイタチ(鼬)やジャコウネコに似ています。
- 毛皮:全身は短く粗い毛で覆われており、多くは灰色や茶褐色、または斑模様をしています。この毛は、蛇の攻撃から身を守る役割も果たします。
- 顔:顔は細長く、耳は小さく丸いのが特徴です。
- 爪:長く鋭い爪を持ち、これは地面に穴を掘る(採餌や巣作り)のに適しています。
- 2. 習性と見分け方
- 食性:主に肉食で、昆虫、鳥の卵、爬虫類、小型哺乳類などを食べます。特に毒蛇を倒すことで知られており、これは俊敏な動きと防御の毛皮によるものです。
- 昼行性:多くの種類は昼間に活動します(昼行性)。これは、同じ地域の夜行性の肉食獣であるジャコウネコなどとすみ分けをしています。
- 社会性:単独で行動する種もいますが、ミーアキャットのように群れで生活する社会性の高い種もいます。
- 特定外来生物:日本においては、小笠原諸島や沖縄本島などに移入され、在来の固有種を捕食して生態系に甚大な被害を与えている特定外来生物に指定されており、見かけた場合は絶対に触れず、行政機関に連絡する必要があります。
- 1. 外見的な特徴
- 和名「猫鼬(ねこいたち)」に「猫」がつく由来:マングースの和名「猫鼬」には、主に「分類学上の位置」と「見た目」から、二つの由来が考えられます。
- 1. 分類学上の系統説
- 「ネコ」の仲間であること:
マングースは、分類学上、食肉目(ネコ目)に属し、さらにその中のネコ亜目(ネコ型類)に分類されます。これは、ライオンやイエネコと同じ大きなグループに属していることを意味します。
和名に「猫」をつけることで、彼らがイヌとは異なるネコ型のグループに属する肉食獣であることを示唆したと考えられます。
- 「ネコ」の仲間であること:
- 2. 見た目とイタチとの対比説
- イタチとネコの特徴を併せ持つ:
マングースは、全体的な細長い体型や短い足はイタチ(鼬)に似ています。一方で、捕食行動や顔つき、系統はネコ型であることから、イタチとネコの両方の特徴を併せ持った動物として「猫鼬」と名付けられたとする説です。
特に、長いひげを持つ顔つきや、地面を這うように歩く姿などが、猫を連想させた可能性もあります。
- イタチとネコの特徴を併せ持つ:
- 1. 分類学上の系統説
このことから、「猫鼬」という和名は、マングースが「ネコの系統に属する、イタチのような姿をした動物」であることを簡潔に表現したものと言えます。
レッサーパンダ(小熊猫):
愛らしさの元祖!レッサーパンダ(小熊猫)の特徴と「ネコ」が和名につく由来
「レッサーパンダ」は、ジャイアントパンダに先行して発見され、「元祖パンダ」とも呼ばれる動物です。中国語では「小熊猫(シャオションマオ)」と表記され、その愛らしい姿と独特な分類が、和名に「猫」の字が入る理由と深く関わっています。
- レッサーパンダのユニークな特徴と見分け方:レッサーパンダは、ネパールやインド北東部、中国の竹林などに生息する食肉目レッサーパンダ科に属する哺乳類です。
- 1. 外見的な特徴
- 体色:赤褐色の光沢がある毛皮を持ち、腹部と四肢は黒っぽい色をしています。この鮮やかな体色が、光沢を意味する種小名「fulgens(光り輝く)」の由来です。
- 顔の模様:顔は白く、目の周りに目立つ茶色の模様(タレ目状の模様)があり、これが愛らしい表情の元になっています。
- 尾:長くふさふさとした尾には、赤褐色と薄い色の縞模様があり、これは木の上でバランスを取るのに役立っています。
- 偽の親指:前足には、竹の枝を器用に掴むための「偽の親指」と呼ばれる突起(種子骨)があります。これはジャイアントパンダと同じ特徴です。
- 2. 見分け方:レッサーパンダを他の動物と見分けるポイントは、「木の上での姿」と「体格」です。
- 木登りの名手:彼らは一日の大半を木の上で過ごし、昼間は枝の上で丸くなって休息します。木の上で赤褐色の毛皮を丸めている動物がいたら、レッサーパンダである可能性が高いです。
- 体格:ジャイアントパンダと比べると遥かに小さく、イエネコから中型犬ほどの大きさです。体重は4~6kg程度で、大型動物という印象は全くありません。
- 1. 外見的な特徴
- 和名「小熊猫」に「猫」がつく由来:レッサーパンダの和名(中国語名)である「小熊猫」は、分類学的な歴史と、彼らの愛らしい見た目から名付けられたと考えられています。
- 1. 「熊猫」が「パンダ」の音訳だった説
- 「パンダ」の音訳:「パンダ」という言葉自体が、ネパール語で「竹を食べるもの」を意味する言葉が由来とされています。中国でこの動物が発見された際、その音を漢字に当てはめたものが「熊猫(ションマオ)」だったという説が有力です。
- つまり、元々「熊」と「猫」に似ているという意味ではなく、「パンダ」という音に「熊」と「猫」の字を当てたのが始まりです。
- 2. 「猫」の字が使われた理由
- 「熊」と「猫」の要素:「熊猫」の「熊」は、その体型や木登りの習性がクマに似ていることから。「猫」は、見た目の可愛らしさ、小柄な体格、そして樹上でのしなやかな動きなどがネコを連想させたためと考えられています。
- また、彼らは食肉目(ネコ目)という大きな分類群に属しており、系統的にもネコとは遠縁ではないという理由も、漢字選びに影響を与えた可能性があります。
- 3. 「小」がついた経緯
- 元祖「熊猫」:実は、ヨーロッパで最初に「パンダ」として紹介されたのはレッサーパンダでした。
- 後にジャイアントパンダが発見された際、レッサーパンダと食性が似ていたため、「(より)大きなパンダ」として「大熊猫(ジャイアントパンダ)」と名付けられました。
- そして元祖の「パンダ」が、それと区別するために「(より)小さなパンダ」という意味の「小熊猫(レッサーパンダ)」と呼ばれるようになったのです。
- 1. 「熊猫」が「パンダ」の音訳だった説
まとめ
中には諸説あるものもありますが、それぞれの名前に込められた意味を考えるのも興味深いですね。
興味深いですよ!「ネコ(猫)が和名につく生き物。
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