今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「シマウマ」です。
シマウマについて、分類・系統、生存頭数、そして絶滅種であるクアッガに関する詳細を以下にまとめます。
シマウマは、ウマ目ウマ科ウマ属に分類される動物で、白と黒の縞模様が特徴です。和名では「シマウマ」と呼ばれますが、遺伝的にはウマよりもロバに近い系統とされています。
シマウマの分類
シマウマは、奇蹄目ウマ科ウマ属に分類される動物です。現在、以下の3つの種が現存しています。
現在、シマウマは3つの種に分類され、さらにいくつかの亜種に分かれます。
グレビーシマウマ (Equus grevyi):
シマウマの中で最も大きく、最も細い縞模様を持っています。
東アフリカに生息する大型のシマウマです。絶滅危惧種です。
サバンナシマウマ (Equus quagga):
最も広範囲に生息し、個体数も多い種です。かつてはEquus burchelliという学名でしたが、クアッガと同一種と判明し、より古い学名であるEquus quaggaが優先されました。
かつてのグラントシマウマとチャップマンシマウマは、現在ではサバンナシマウマの亜種として分類されています。
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グラントシマウマ(Equus quagga boehmi): サバンナシマウマの亜種で、最も広く分布しています。
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チャップマンシマウマ(Equus quagga chapmani)
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その他の亜種には、クアッガ(Equus quagga quagga)(絶滅)やバーチェルサバンナシマウマ(Equus quagga burchellii)、クロウシェイズシマウマ、セルーシマウマなどが含まれます。
ヤマシマウマ (Equus zebra):
体が小さく、腹部には縞模様がありません。首の下に肉垂れがあるのが特徴です。
南アフリカに生息する種で、他のシマウマより小型です。絶滅危惧種に指定されています。
- ハートマンヤマシマウマ:ヤマシマウマの亜種
- ケープヤマシマウマ:ヤマシマウマの亜種
"Zebra"という単語
英語の「zebra」という単語は、特定の種を指すのではなく、シマウマ全般を指す総称です。
学名では、ヤマシマウマがEquus zebra、グレビーシマウマがEquus grevyi、サバンナシマウマがEquus quaggaと、種によって異なりますが、英語では3種すべてが「zebra」と呼ばれます。
例えば、ヤマシマウマは「mountain zebra」、グレビーシマウマは「Grévy's zebra」、サバンナシマウマは「plains zebra」と、それぞれの特徴を示す単語を加えて区別します。
シマウマの生存頭数
シマウマの生存頭数は種によって大きく異なります。
グレビーシマウマ:
最も絶滅の危機に瀕しているシマウマです。野生にはわずか2,000頭ほどしか残っていないと見られており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。密猟や生息地の減少が主な原因です。
ヤマシマウマ:
この種も絶滅危惧種に指定されており、亜種であるケープヤマシマウマとハートマンヤマシマウマも同様に危機的な状況にあります。
サバンナシマウマ:
他の2種に比べると個体数が多く、最も一般的で広範囲に生息しています。しかし、その中の一部の亜種は絶滅しています。
クアッガ(絶滅種)の詳細と再生プロジェクト
クアッガ(Equus quagga )は、サバンナシマウマの亜種であり、すでに絶滅したシマウマです。
特徴:
クアッガは、体の前半身には通常のシマウマのような白黒の縞模様がありますが、後半身は茶色一色で、脚には縞模様がありませんでした。
名前は、その特徴的な鳴き声「クーアッハ」に由来すると言われています。
絶滅の経緯:
南アフリカの草原地帯に生息していましたが、人間による乱獲と生息地の開発により数を減らし、1860年頃には野生の個体は絶滅しました。
最後の飼育個体は1883年にアムステルダム動物園で死亡し、クアッガは完全に絶滅しました。
肉は食糧として、皮は靴や袋などに加工されていました。
クアッガ・プロジェクト
クアッガの絶滅後、絶滅した動物を復活させようとする「クアッガ・プロジェクト」が南アフリカで始まりました。
目的と手法:
DNA分析の結果、クアッガはサバンナシマウマの亜種であることが判明しました。このプロジェクトは、クアッガに最も近い遺伝子を持つとされるバーチェルサバンナシマウマを選別し、交配を重ねることで、外見や遺伝子がクアッガに似たシマウマを誕生させることを目指しています。
進捗:
1987年に開始されたこのプロジェクトにより、世代を重ねるごとにクアッガの遺伝子や外見的特徴を強く受け継いだ個体が生まれています。これらのシマウマは「ラウ・クアッガ」と名付けられ、将来的にはクアッガのかつての生息地に再導入することが計画されています。
クアッガプロジェクトで生み出されたラウクアッガ。
まとめ
かつては、チャップマンシマウマやグラントシマウマなどが独立した「種」として扱われていたシマウマ。
シマウマの旧分類(一例)
シマウマの分類は研究者によっても異なりましたが、一般的に見られた旧分類では、現在「亜種」とされているものが独立した「種」として扱われていました。例えば、以下のような6~7種に分類されていました。
- ヤマシマウマ
- グレビーシマウマ
- サバンナシマウマ(バーチェルシマウマ)
- クアッガ(絶滅種)
- グラントシマウマ
- チャップマンシマウマ
- クロウシェイズシマウマ
- セルーシマウマ
しかし、近年の遺伝子解析などの研究が進んだ結果、現在はより整理された分類(上記)が一般的になっています。
日本の動物園でシマウマをみる場合には、上記を知った上で臨まれることをおすすめします。
興味深いですよ!「シマウマ」。




