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「亀甲」の意味や語源、用例・使われ方を深掘りレポート

日本企業には、その(創業当時の)シンボルマーク・社章(の模様や紋章)の名称を社

名に反映させているケースが多いです。

三菱、丸井、マルハ、マルコメ、ヤマサ、ヤマキ、カゴメ(籠目)など枚挙にいとまがありません。

その中の一社にキッコーマン(亀甲萬)があります。

 

今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「亀甲」です。

「亀甲」の意味やそもそもの語源、「亀甲」を戴く言葉の使われ方などについて、以下の目次に沿って深掘りしてみました。

 

亀甲(きっこう)とは?

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亀甲とは、文字通り亀の甲羅(英: Turtle shell)のこと。カメの体を保護する外殻です。

この亀の甲の解剖学的概説は、Wikipediaを引用します。

カメ - Wikipedia

甲羅:
カメの形態上の最大の特徴は、甲羅を持つことである。

甲羅は脊椎や肋骨と一体の甲板(骨甲板)と、鱗からなる甲板(角質甲板)の2つの甲板で構成される。

腹甲の一部は鎖骨や肋骨が変形したとされる。骨甲板と角質甲板の継ぎ目がずれており、強度をあげている。

2013年、理化学研究所は、カメの胚の発生プロセスの組織学的な解析と三畳紀の化石の調査により、カメの骨甲板は肋骨だけが拡張・変形して進化してきたことを立証したと発表した。

 

亀の甲より年の功

ことわざに、「亀の甲より年の功」があります。

長年経験を積んでいる年長者には、若者には及ばない知恵や技能があることから、さすが年長者だけのことはあると、年長者を称賛する意味で使われます。

このことわざ中の「亀の甲」は、「功」との語呂合わせで引き合いに出されたもので、特に意味はないと思われますが、亀は長寿のシンボルともされますので、ゆるやかに年長ともイメージが連なっているといえましょう。

このように、会話にも用いれれる身近な存在の亀の甲羅ですが、人間による甲羅の用途としては以下があげられます。

 

亀の甲羅の人間による用途

亀の甲羅の人間による用途としては、以下があげられます。

 

<亀の甲羅の人間による用途>

  • 刻字の対象:
    亀甲文字・甲骨文字など、亀甲に古文字が刻まれた。
  • 占卜:
    中国の伝統的な占いである亀卜(きぼく)の道具として亀の甲羅が使われた。亀甲の上部に穴をあけて熱したものを入れ、生成される亀裂から占った。
  • 薬用:
    亀の腹甲からは亀苓膏という漢方薬が作られる。
  • 装飾品:
    タイマイの甲は、鼈甲(べっこう)べっこう細工として、装飾品に加工されてきた。

 

亀甲文様

亀甲文様は、古くから日本で親しまれている伝統的な文様です。その名の通り、亀の甲羅の形に似ていることから名付けられました。正六角形を基本とし、連続して並べることで構成されています。

亀甲文様の歴史

亀甲文様は、飛鳥時代~奈良時代に中国から日本へ伝わりました。当時の中国では、亀の甲羅を用いて占いを行う“亀ト(きぼく)”による政策決定や意思決定が盛んに行われていた時代でした。亀は長寿の象徴であり、またその甲羅は占いの道具として使われていたことから、亀甲文様は吉祥文様として珍重されました。

亀甲文様が含意するところ

亀甲文様は、長寿、健康、繁栄、子孫繁栄などの意味を持つ縁起の良い文様として広く知られています。また、亀は水と陸の両方の世界に生息することから、調和、安定の意味も込められています。

亀甲文様のバリエーション

亀甲文様には、様々なバリエーションがあります。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  • 亀甲つなぎ:六角形を繋ぎ合わせたシンプルな亀甲文様。

    亀甲つなぎ
  • 亀甲花菱::六角形の中に花弁をあしらった文様。

    亀甲花菱
  • 毘沙門亀甲::三つの亀甲を組み合わせた文様。

    毘沙門亀甲
  • 子持ち亀甲::正六角形が二重になった文様。

    子持ち亀甲

これらのバリエーションは、それぞれ異なる意味を持つこともあります。

例えば、亀甲花菱は、亀甲文様の持つ長寿や繁栄の意味に加えて、花弁が持つ美しさや華やかさの象徴として使われます。

亀甲文様の用途

亀甲文様は、着物や帯、器、建築物など、様々なものに用いられています。特に、婚礼衣装や祝い着によく使われ、おめでたい席にふさわしい文様として重宝されています。

現代における亀甲文様

現代においても、亀甲文様は様々な場面で目にすることができます。着物や帯などの伝統的な工芸品はもちろん、インテリア雑貨やファッションアイテムなどにも取り入れられています。また、その縁起の良い意味から、企業のロゴマークなどに使用されることもあります。

紋章としての「亀甲紋」

亀甲紋 (Kikkōmon) は、亀の甲羅を象った家紋です。

亀甲紋は、亀の長寿にあやかって、縁起の良い紋様とされています。また、亀の甲羅は六角形であり、六角形は古くから中国では魔除けのシンボルとされていたことから、亀甲紋にも魔除けの力があると信じられていました。

亀甲紋は、武家をはじめ、神職や町人など幅広い階層で使用されました。特に、武家にとっては、戦勝や家名の繁栄を願って用いられる縁起の良い紋様として重宝されました。

亀甲紋には、様々な種類があります。代表的な種類としては、以下のようなものがあります。

  • 丸に亀甲:正円の中に亀甲紋を描いたものです。最も基本的な亀甲紋で、シンプルで使いやすいことから、幅広い階層で使用されました。
  • 三つ亀甲:三つの亀甲紋を並べたものです。安定感や調和を象徴する紋様として、家紋だけでなく、着物や帯などの模様としてもよく用いられました。
  • 剣三つ亀甲:三つの亀甲紋の上に剣を置いたものです。武家の家紋としてよく用いられ、勇気や強さを表す紋様とされています。
  • 亀甲に花菱:亀甲紋の中に花菱を描いたものです。亀甲紋の吉祥性と花菱の美しさを兼ね備えた、華やかで縁起の良い紋様として、特に女性に人気がありました。

    三つ盛亀甲に花菱

 

亀甲紋は出雲大社(「亀甲に有の字」)、厳島神社(「三つ盛り二重亀甲に剣花菱」)などの神紋ともなっています。

出雲大社 - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/59/Mon-_Izumo_taisha.png

【出雲大社 神紋「二重亀甲に剣唐花」】

厳島神社 - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c5/Emblem_of_Itsukushima_Shrine.svg/800px-Emblem_of_Itsukushima_Shrine.svg.png

【厳島神社 神紋「三つ盛り二重亀甲に剣花菱」】

 

亀甲模様(正六角形の幾何学模様)を表す言葉としての「亀甲」の用例

「正六角形の幾何学模様」の含意による「『亀甲』の使われ方(用例)」としては、以下があげられます。

<正六角形の幾何学模様としての「亀甲」の用例>

  • 亀甲縛り
  • 亀甲もなか
  • 亀甲せんべい
  • 生物名:
    • キッコウチク(亀甲竹)
    • キッコウカンザン(亀甲寒山)
    • キッコウグサ(亀甲草)
    • キッコウゴケ(亀甲木毛(苔)) 
    • キッコウソウ(亀甲草)
    • キッコウダカラ
    • キッコウダコ Alocasia cuprea - サトイモ科クワズイモ属に属する植物。
    • キッコウツゲ Ilex crenata var. nummularia - モチノキ科モチノキ属の常緑低木イヌツゲの変種。
    • キッコウハグマ Ainsliaea apiculata - キク科モミジハグマ属の多年草。葉が五角形で、これを亀甲に見立てた。
    • キッコウヒイラギ Osmanthus heterophyllus f. subangustatus - モクセイ科モクセイ属ヒイラギの園芸品種。
    • キッコウモンケシカミキリ Exocentrus tetsudineus - 鞘翅目カミキリムシ科フトカミキリ亜科に属するカミキリムシの一種。上翅に白色毛による亀甲紋がある。種小名 tetsudineus もカメに由来する。
    • キッコウリュウ Dioscorea elephantipes - ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属する植物。

「亀甲」という言葉が冠された言葉(名称等)について、以下で順番に解説します。

亀甲縛り

「亀甲縛り」は、ロープや紐の結び方の一つです。

この結び目は、複数のループを交差させて亀の甲羅のような模様を作ります。亀甲縛りは、強度があり、美しいデザインを持っています。

具体的な方法については、以下の手順を参考にしてください。

ロープの両端を持ち、交差させます。
交差した部分をもう一度交差させ、ループを作ります。
交差した部分をもう一度交差させ、さらにループを作ります。
このプロセスを繰り返し、亀甲の模様を作ります。
亀甲縛りは、登山やアウトドア活動、ハンドクラフトなどで使われます。

亀甲縛りとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書

亀甲縛り(きっこうしばり)は、縄による縛り方の一つ。現代では荷造り等の実用面よりも、主にSMプレイにおける最も一般的な緊縛様式として用いられる。

亀甲もなか

 

亀甲せんべい

 

キッコウチク(亀甲竹)

キッコウチク - Wikipedia

キッコウチク(亀甲竹)はモウソウチクの突然変異で、稈の枝下部分の節間が交互に膨れており節が斜めとなった竹である。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c0/Phyllostachys_heterocycla_%27Kikko-chiku%271.jpg/375px-Phyllostachys_heterocycla_%27Kikko-chiku%271.jpg

 

キッコウカンザン(亀甲寒山)

中国南部原産の寒山竹(カンザンチク)」の一品種。種名に「竹」が付くが、稈鞘(タケノコの皮)は成長しても落ちずにずっと残ったままなのでササの仲間です。
寒山竹はササ類の中では最も大きく、桿の高さは3~6メートルになります。キッコウカンザンは桿の基部で節間が亀甲状になるのが特徴です。
イネ科メダケ属の常緑ササ類。学名は Pleioblastus hindsii f. kiko。

 

キッコウグサ

Dictyosphaeria cavernosa

アオサ藻綱シオグサ目バロニア科に属する藻類。

Dictyosphaeria cavernosa - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/51/Dictyosphaeria_cavernosa.jpg/1024px-Dictyosphaeria_cavernosa.jpg

 

キッコウゴケ(亀甲木毛(苔))

Diploschistes actinostomus - 子嚢菌門チャシブゴケ綱オストロパ目キッコウゴケ科キッコウゴケ属に属する地衣類。キッコウゴケ属は、胞子が褐色、石垣状で多室。

 

キッコウソウ(亀甲草)

イチヤクソウの別称。
イチヤクソウ科の常緑多年草、園芸植物、薬用植物。学名 Pyrola japonica

 

キッコウダカラ

Mauritia maculifera - タカラガイ科タカラガイ属の巻貝の一種。

Mauritia maculifera - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4f/Cypraeidae_-_Mauritia_maculifera_-_Hawaii.JPG

 

キッコウダコ

Alocasia cuprea - サトイモ科クワズイモ属に属する植物。


キッコウツゲ

Ilex crenata var. nummularia - モチノキ科モチノキ属の常緑低木イヌツゲの変種。


キッコウハグマ

Ainsliaea apiculata - キク科モミジハグマ属の多年草。葉が五角形で、これを亀甲に見立てた。


キッコウヒイラギ

Osmanthus heterophyllus f. subangustatus - モクセイ科モクセイ属ヒイラギの園芸品種。

 

キッコウモンケシカミキリ

Exocentrus tetsudineus - 鞘翅目カミキリムシ科フトカミキリ亜科に属するカミキリムシの一種。上翅に白色毛による亀甲紋がある。種小名 tetsudineus もカメに由来する。

 

キッコウリュウ

Dioscorea elephantipes - ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属する植物。

 

 

まとめ

「亀甲」の意味やそもそもの語源、「亀甲」を戴く言葉の使われ方などについて、深掘りしてみました。

中国で亀卜に使用されたのは主にクサガメの種ということですが、島国日本では、ウミガメの「利用」例も多いことなど、亀甲にも歴史ありという感を強くしました。

また、亀甲文様や亀甲紋は、現在のデザインにも活かされていますね。

興味深いですよ!「亀甲」。