今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「海獣」です。
フリッパーをテーマにした「『フリッパー』の意味、用例・使われ方を深掘りリサーチ」の投稿では、「ひれ状(鰭状)の足」の持ち主を列挙してありますが、このフリッパーの持ち主と海獣とはイコールの関係なのでしょうか?
「海獣」の意味や用例などを深掘りリサーチし、以下の目次に沿ってレポートしていきます。
海獣とは?
海獣とは、海に生息する哺乳類の総称です。
海獣(かいじゅう、marine mammals)は、海に生息する哺乳類(獣)を指す。
別名は海獣類・海洋哺乳類・海生哺乳類・海棲哺乳類・海産哺乳類(あるいは、「~哺乳類」の代わりに「~哺乳動物」)。
形質による分類であり、分類学的なグループ(分類群)や系統学的なグループ(クレード)とはならない。もっぱら、水族館学・人文科学・漁業などの分野で使われる用語である。
海獣の特徴
- 哺乳類であること: 肺呼吸、恒温動物、胎生、乳腺を持つなど、哺乳類の共通の特徴を持っています。
- 水生への適応: 海中生活に適応するため、四肢がひれ状になったり、体毛が退化したりなど、様々な体の変化が見られます。
海獣の主な種類
海獣の主な種類(現生)を以下に列挙します。
フリッパーの持ち主から、鳥類であるペンギンを除いて、ラッコとホッキョクグマを加えたものが概ね「海獣」とみなすことができそうです。
<海獣の主な種類>
- 鯨類: クジラ、イルカ、シャチ、イッカク、シロイルカ(ベルーガ)など。最も海中生活に適応しており、一生を海中で過ごします(:海洋常在種)。
- 海牛類: ジュゴン、マナティーなど。海草を主食とし、比較的浅い海域に生息します(:海洋常在種)。
- 鰭脚類: アザラシ、アシカ、オットセイ、トド、オタリア、セイウチなど。陸上での活動も可能ですが、繁殖や休息は主に海で行います(:海洋適住種)。
- その他: ラッコ(:海洋適住種)、ホッキョクグマ(:海洋好遊種)など。
絶滅した海獣の主要例
デスモスチルス
デスモスチルス(Desmostylus)は、中新世中期から後期にかけて生息した半海棲の哺乳類。束柱目・デスモスチルス科。
ウミベミンク
ウミベミンク(海辺みんく、学名:Neovison macrodon)は、食肉目(ネコ目)で最大のイタチ科に属し、北米の東海岸に生息していたミンク(英語版)の近年の絶滅種(英語版)。
ミンク(Neovison vison、以下アメリカミンクと呼ぶ)に最も近縁だったが、ウミベミンクはアメリカミンクの亜種(その場合は学名がNeovison vison macrodonとなる)とみなされるべきか独自の種とみなされるべきかどうかについての議論が続いている。
別種とされる主な理由は、2種のミンクの間の体長の違いだが、赤い毛皮のような他の特徴でも区別される。
唯一知られている遺骸は、アメリカ先住民の貝塚から出土した骨片のみである。実際の体長は、主に遺された歯に基づいた推測値である。
ウミベミンクは、絶滅後の1903年に初めて記載された。
「海獣」と「魚」の違い
「海獣」と「魚」の違いを以下に一覧表化します。
【「海獣」と「魚」の違い】
特徴 |
海獣(哺乳類) | 魚類 |
---|---|---|
呼吸 | 肺呼吸 | エラ呼吸 |
体温 | 恒温動物 | 変温動物 |
生殖 | 胎生(一部卵生) | 卵生(一部卵胎生) |
体表 | 毛(一部退化) | うろこ |
「海獣」と「魚」の共通点
- 水生生活: どちらも水中で生活している。
- 流線型の体型: 水中を効率的に泳ぐために、流線型の体型をしていることが多い。
まとめ - 海獣は、一見魚のように見えるものもありますが、哺乳類に属する動物の総称です。海中生活に適応した様々な形態を持つことが特徴です。
まとめ
「海獣」は分類学的な用語ではない: 形態的な特徴に基づいた総称であり、必ずしも系統的なグループを表すものではありません。
「海獣」に含める動物の範囲は、文献によって多少異なる場合があります。
興味深いですよ!「海獣」。