今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは「ブタクサ」です。
先日、わが家への宅配を担当してくれている”ヤクルトさん”との会話で、「ブタクサとセイタカアワダチソウって同じものなのでは?」とのやりとりもありましたもので、深掘りリサーチしてみます。
「ブタクサ」を「生き物にまつわる言葉」として深掘りリサーチし以下の目次に沿ってまとめレポートとしました。
ブタクサとは?
ブタクサは、北アメリカ原産のキク科の一年草で、日本でも夏の終わりから秋にかけて花粉を大量に飛ばし、花粉症の原因となることで知られています。
道端や荒地など、いたるところで見かける身近な植物です。
ブタクサ(豚草、学名:Ambrosia artemisiifolia)は、キク科ブタクサ属の一年草。
北米原産で、アフリカ以外の世界各地に帰化分布する。
花粉症の主因としても知られる。
和名は英語の俗名 "hogweed"(豚の草)の直訳に由来する。
中国名は、豚草(別名:豬草、瘤果菊、艾葉瘤果菊)。
分布
北アメリカ原産。南アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの広い範囲に外来種として移入分布している。
日本では、明治初期(1880年)に渡来した帰化植物として入り、昭和初期ごろに定着化。現在では害草化して全国の道端や河原などに分布する。
ブタクサの分類
界: 植物界
門: 被子植物門
綱: 双子葉植物綱
目: キク目
科: キク科
属: ブタクサ属
種: ブタクサ
ブタクサの名前の由来
ブタクサという名前の由来は、はっきりとは分かっていませんが、以下の説が有力です。
英名の直訳説:
英名の「hogweed」が「豚の草」と直訳されたという説。
ただし、hogweedはブタクサだけでなく、硬い毛に覆われた植物を総称する言葉としても使われます。
ブタクサの漢字表記と英語・中国語表記
- 漢字: 豚草
- 英語: Ragweed
- 中国語: 豚草 (túncǎo)
ブタクサとセイタカアワダチソウの違い
ブタクサとセイタカアワダチソウは、秋に黄色い花を咲かせる植物で、よく混同されますが、全く異なる植物です。
ブタクサ
特徴:
- 花粉症の原因となる植物として有名です。
- 葉はヨモギの葉のようにギザギザしています。
- 花粉は風で飛びやすく、アレルギーを引き起こしやすいです。
- 一年草で、夏から秋にかけて生長します。
問題点:
花粉が風に乗って遠くまで飛散するため、花粉症の原因として大きな問題となっています。
セイタカアワダチソウ
特徴:
ブタクサと間違われがちですが、花粉症の原因になることはほとんどありません。
葉は笹の葉のように細長く、ギザギザはありません。
花粉は重く、風でほとんど飛びません。
多年草で、地下茎で広がります。
誤解:
一時期、セイタカアワダチソウが花粉症の原因と誤解されていた時期がありました。
繁殖力が強く、他の植物を駆逐してしまうため、嫌われることもあります。
セイタカアワダチソウ(背高泡立草、学名:Solidago altissima)は、キク科アキノキリンソウ属の多年草で、虫媒花である帰化植物。
日本では代萩とも呼ばれる。茎を乾燥したものは、すだれや、お茶などの材料に利用される。
良く花粉症の原因と間違われるセイタカアワダチソウだが虫媒花の為、花粉を飛ばすことがなく、原因はよく似た植物のブタクサという種である。
・・・
同時期に増えた、帰化植物のブタクサと時折間違われ、花粉症の原因だと言われるが、別の植物である。
・・・
外来生物法により要注意外来生物に指定されているほか、日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。
昭和40年代に、日本でセイタカアワダチソウが社会問題となった理由として、戦後の減反政策によって、休耕田となった土地に今まで見たことのない外来種の大きい草が突然大量に生えてきたという他に、当時は気管支喘息や花粉症の元凶だと誤解されていたことも一因であったが、セイタカアワダチソウは虫媒花で風媒花ではないので、花粉の生成量は少ない上に比較的重く、形状も風で飛ぶのには不適であるため、(気管支喘息や花粉症とは)無関係と考えられている。
セイタカアワダチソウ
ブタクサとセイタカアワダチソウの見分け方
花粉症の原因となるのはブタクサであり、セイタカアワダチソウは誤解されていることが多いです。
セイタカアワダチソウは、虫媒花で蜜源植物として昆虫たちにとっては貴重な存在で、いわば善玉だったのです。
ブタクサとセイタカアワダチソウは、葉の形や花粉の飛び方などが大きく異なります。
見分けるポイントは「葉」です。
葉が、ヨモギの葉のようにギザギザしていたらブタクサ、笹の葉のように細長かったらセイタカアワダチソウです。
その他・ブタクサに関する備考
- メブタクサ: ブタクサには、雄花をつけずに雌花のみをつける「メブタクサ」と呼ばれる個体も存在します。
- オオブタクサ: ブタクサに似ているが、より大型の「オオブタクサ」も存在します。
- 花粉症対策: ブタクサの花粉症対策としては、マスクの着用、外出を控える、部屋の掃除などがあります。
まとめ
ブタクサは、身近な植物でありながら、花粉症の原因となることで知られています。
一方、花粉症の元凶の濡れ衣を着せられて、外来種の代表として悪者扱い・社会問題視されていたセイタカアワダチソウ。
ブタクサとセイタカアワダチソウとの違いを理解することで、より的確な花粉症対策を取ることができます。
興味深いですよ!「ブタクサ」。