今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、ゴルフスコア用語「バーディ」「イーグル」「アルバトロス」です。
ゴルフスコア用語「バーディ」「イーグル」「アルバトロス」の由来について、以下の目次に沿って深掘りしてみました。といっても、GoogleのAIジェミニが、ディープなリサーチ計画を提示してくれるようになったので、その結果をほぼ転載することになりました。
- バーディ (Birdie)
- イーグル (Eagle)
- アルバトロス (Albatross)
- 「Albatross(アルバトロス)」の語源
- アルバトロス (Albatross)が日本語でアホウドリとなった由来は?
- 「アルバトロス」(英名)と「アホウドリ」(和名)の定着時期
- 「軍艦鳥」(和名)の定着時期と由来
- まとめ
ゴルフのスコア用語「バーディ」「イーグル」「アルバトロス」は、いずれも鳥の名前に由来しています。これは、良いショットや珍しいスコアを鳥のイメージになぞらえたものです。
バーディ (Birdie)
- 意味: ホールの規定打数(パー)より1打少ない打数でホールアウトすること。
- 由来: 諸説ありますが、最も有力なのは20世紀初頭のアメリカで生まれたとする説です。
1903年、ニュージャージー州のゴルフコースで、A・H・スミスというゴルファーがパーより1打少ないスコアでホールアウトした際、その見事なショットを見て誰かが「Flew like a bird! (鳥のように飛んだ!)」と叫んだのがきっかけとされています。
当時、アメリカでは「Bird(鳥)」が「素晴らしい」「カッコイイ」といった意味のスラングとして使われていました。
これが愛称を込めた「Birdie(小鳥ちゃん)」という言葉に変化し、パーより1打少ないスコアを指すようになりました。
イーグル (Eagle)
- 意味: ホールの規定打数(パー)より2打少ない打数でホールアウトすること。
- 由来: 「バーディ」よりもさらに優れたスコアを表現するために、より大きく、力強い鳥である「Eagle(ワシ)」が選ばれました。
ワシはアメリカの国鳥でもあり、その雄大で威厳のあるイメージが、バーディを超える快挙にふさわしいとされたためです。
バーディと同様、アメリカで生まれた用語とされています。アメリカでは次項のアルバトロスのことをダブルイーグルということが多いのもうなづけます。
アルバトロス (Albatross)
- 意味: ホールの規定打数(パー)より3打少ない打数でホールアウトすること。
- 由来: 「Albatross(アホウドリ)」という大型の海鳥に由来します。
アホウドリは非常に大きな翼を持ち、風に乗って長距離を滑空する能力に優れています。その雄大さから、稀で素晴らしいものを象徴するとされています。
また、アホウドリは絶滅危惧種であり、めったに見ることができない珍しい鳥であることから、「アルバトロス」というスコアもゴルフにおいて非常に達成が難しく、めったに見られない快挙であることに結びつけられたと言われています。
主にイギリスで使われ始めた言葉とされています。
このように、ゴルフの良いスコアは、その難易度やインパクトに合わせて、小さな鳥から大きな鳥へとランクアップしていく形で名付けられました。
「Albatross(アルバトロス)」の語源
「Albatross(アルバトロス)」の語源は、非常に興味深く、いくつかの言語を経て現在の形になったとされています。
最も有力な説は、以下の経路をたどったというものです。
- アラビア語 (Arabic):
元々はアラビア語の「al-qādūs (アルカードゥース)」または「al-ḡaṭṭās (アルガッタース)」に由来すると考えられています。
「al-qādūs」は「水車のバケツ」や「水汲み機」を意味し、これはペリカンの喉の袋を指す比喩だった可能性があります。
「al-ḡaṭṭās」は「潜水夫」や「海ワシの一種」を意味します。 - ポルトガル語 (Portuguese):
アラビア語がイベリア半島に伝わり、ポルトガル語で「alcatraz (アルカトラズ)」という言葉に変化しました。
この「alcatraz」は、元々「ペリカン」や「カツオドリ」のような大型の海鳥を指す言葉でした。有名なサンフランシスコのアルカトラズ刑務所の名前も、この鳥が多数生息していたことに由来します。 - 英語 (English):
17世紀に英語に伝わる際に、「alcatraz」が「albatross」へと変化しました。
この変化には、いくつかの要因が影響したと考えられています。
民間語源(Folk Etymology): 英語の「albus」(ラテン語で「白い」を意味する)の影響を受けた可能性があります。多くのアホウドリの主要な色である白が、言葉の形に影響を与えたと考えられます。 - 混同:
当時、フリゲートバード(軍艦鳥)など他の海鳥と混同されながらも、最終的に現在のアホウドリを指す言葉として定着していきました。
このように、「Albatross」はアラビア語起源の言葉がポルトガル語を経由し、さらに英語に取り入れられる過程で、その形と意味が変化していった複雑な歴史を持つ言葉です。
アルバトロス (Albatross)が日本語でアホウドリとなった由来は?
「アルバトロス」が日本語でアホウドリと呼ばれるようになった由来は、その鳥の習性にあります。
アホウドリは、もともと人のいない孤島で繁殖していました。
そのため、人間に対する警戒心が非常に薄く、人が近づいてもほとんど逃げることがありませんでした。
簡単に捕まえられてしまうその様子から、人々は「愚か」「馬鹿」という意味を込めて「アホウドリ」と呼ぶようになったと言われています。
漢字では「阿呆鳥」や「阿房鳥」と書かれることもあります。
また、「信天翁」という漢字表記もありますが、これは「天を信じて一日中同じ場所で魚が来るのを待っている翁(おきな)のような白い鳥」という意味合いで、アホウドリが天から餌が降ってくるのを待っているように見えるという中国の伝承に由来するとされています。
かつては羽毛採取のために乱獲され、一時は絶滅の危機に瀕しましたが、現在では保護活動により少しずつ数を回復させています。
「アルバトロス」(英名)と「アホウドリ」(和名)の定着時期
アルバトロス(Albatross)という英名と、「アホウドリ」という日本語の呼び名では、「アルバトロス」の概念が(現在の形に近いものとして)ヨーロッパで認識され、言葉として使われ始めた方が、日本語の「アホウドリ」という呼称が記録として確認できるよりも早かったと考えられます。
「アルバトロス」(英名)の定着時期
「Albatross」の語源は、アラビア語の「al-ghattas」(海鳥、ダイバー)やポルトガル語の「alcatraz」(ペリカン、カツオドリ)に由来し、17世紀後半(1670年代)には英語の文献に登場し始めています。例えば、OED(オックスフォード英語辞典)によると、1681年の記録で「Albitrosse」という表記が見られます。
これは、ヨーロッパの船乗りたちが大西洋を越えて航海する中で、大型の海鳥に出会い、それに「alcatraz」という言葉を転用し、さらにラテン語の「albus」(白い)の影響を受けて「albatross」という形になったと考えられています。
「アホウドリ」(日本語)の定着時期
一方、日本語の「アホウドリ」という呼び名がいつ頃から使われ始めたかについては、明確な記録は残っていませんが、江戸時代初期から見られたという説があります。
しかし、文献として確認できるのは、明治時代に入ってからです。
1888年(明治21年)に鳥島を訪れた探検家・服部徹の「鳥島信天翁の話(とりしまばかどりのはなし)」という記録で、「アホウドリ」という呼び名が使われていることが確認されています。また、江戸時代にはアホウドリに統一された名称がなく、各地で様々な呼び名があったことも指摘されています。
これらの情報から、「アルバトロス」という言葉が英語圏で使われ始めたのは17世紀後半であるのに対し、「アホウドリ」という日本語の呼び名が広く定着し、文献で確認できるのは19世紀後半(明治時代)であるため、「アルバトロス」という英名の概念と呼称の方が早く成立し、定着したと言えるでしょう。
「軍艦鳥」(和名)の定着時期と由来
日本語の「軍艦鳥」という和名は、「Frigatebird」の特徴を捉え、その姿や行動が軍艦を思わせることから名付けられたとされています。
日本の文献で「軍艦鳥」またはそれに相当する表現が確認できるのは、明治時代以降です。
例えば、1883年(明治16年)に日本の海軍省が刊行した『寰瀛水路誌(かんえいすいろし)』には、「フリゲイト」鳥というカタカナ表記でこの鳥が紹介されており、その後に「軍艦鳥」という和名が定着していった経緯が伺えます。
この記述からも、日本語で「フリゲイト鳥」という外来語が先に導入され、それが「軍艦鳥」という和名に転じた可能性が高いことを示唆しています。
まとめ
ゴルフスコア用語「バーディ」「イーグル」「アルバトロス」にはじまり、和名アホウドリや軍艦鳥の由来まで、深掘りしてみました。
「アルバトロス(Albatross)」という英名の語源の一つに、ポルトガル語の「alcatraz」が挙げられます。つまり、アホウドリを指す「Albatross」という言葉自体が、「アルカトラズ」という言葉の派生形であると考えられているのですね。
興味深いですよ!「バーディ」「イーグル」「アルバトロス」。