今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「その和名等の漢字表記に『禿』がある動物」です。
「和名等の漢字表記に『禿』がある動物」を深掘りリサーチした結果を、以下の目次に沿ってまとめレポートします。
その和名等を漢字表記した場合に、「禿」の漢字がつく動物は?
「禿」の漢字がつく動物は、主に鳥類に多く見られます。
その理由としては、鳥類の羽の色や模様が変化することで、人間から見て「禿げている」ように見える場合があるからです。
以下に、和名等を漢字表記した場合に、「禿」の漢字がつく動物をあげていきます。
和名等の漢字表記に「禿」がある代表的な動物
和名を漢字表記した場合に、「禿」の漢字がつく代表的な動物たちです。
禿鷹(ハゲタカ)
死んだ動物の肉を食べる猛禽類を広く指す俗称です。頭部や首の羽毛が少なく、皮膚がむき出しになっていることからこの名が付いています。
ハゲタカ(禿鷹 英:vulture)は、腐肉を漁る猛禽類を広く指す俗称。特定の鳥の種名ではなく、ハゲワシ類(「ヒゲワシ亜科 Gypaetinae」と「ハゲワシ亜科 Aegypiinae」)やコンドル類(コンドル科コンドル属コンドル)を指す。
彼らの食餌習性から転じて、困窮して弱った相手を食い物にする強欲な人物・組織のことを「ハゲタカ」と比喩的に表現することもある。
禿鷲(ハゲワシ)
ハゲワシ(禿鷲)は、鳥類タカ目タカ科のうち死肉を主な餌とする一群の種の総称である。かつて狭義にはクロハゲワシの標準和名だった。
旧大陸の低緯度に生息し、英語では Old World vulture と呼ぶ。似た生態で新大陸に住むコンドル科 Cathartidae (New World vulture) とは科レベルで離れた系統にある。
またハゲタカ(禿鷹)はハゲワシ類やコンドル類の俗称である。
ハゲワシ(禿鷲)と総称されるのは「ヒゲワシ亜科 Gypaetinae」と「ハゲワシ亜科 Aegypiinae」の2亜科で、この2亜科に9属16種が属す。
- ヒゲワシ亜科 Gypaetinae
- Gypohierax angolensis, Palm-nut Vulture, ヤシハゲワシ
- Gypaetus barbatus, Bearded Vulture, ヒゲワシ
- Neophron percnopterus, Egyptian Vulture, エジプトハゲワシ(埃及禿鷲)
- ハゲワシ亜科 Aegypiinae
- Necrosyrtes monachus, Hooded Vulture, ズキンハゲワシ(頭巾禿鷲)
- Gyps africanus, White-backed Vulture, コシジロハゲワシ
- Gyps bengalensis, White-rumped Vulture, ベンガルハゲワシ
- Gyps indicus, Indian Vulture, インドハゲワシ(印度禿鷲)
- Gyps tenuirostris, Slender-billed Vulture,ハシボソハゲワシ
- Gyps rueppellii, Rüppell's Vulture, マダラハゲワシ
- Gyps himalayensis, Himalayan Vulture, ヒマラヤハゲワシ
- Gyps fulvus, Griffon Vulture, シロエリハゲワシ (白襟禿鷲)
- Gyps coprotheres, Cape Vulture, ケープシロエリハゲワシ
ケープハゲワシ - Wikipedia
- Sarcogyps calvus, Red-headed Vulture, ミミハゲワシ
- Trigonoceps occipitalis, White-headed Vulture, カオジロハゲワシ
- Aegypius monachus, Cinereous Vulture, クロハゲワシ (黒禿鷲)
クロハゲワシ - Wikipedia- Torgos tracheliotus, Lappet-faced Vulture, ミミヒダハゲワシ
このうちヒゲワシ亜科のヒゲワシは和名に「ハゲワシ」が付かないが、英語では vulture がつき、生態はハゲワシ的な腐肉食である。
阿弗利加禿鸛(アフリカハゲコウ)
コウノトリ科の大型渉禽類の一種。原産地は、和名のとおりアフリカである。
禿蟻鳥(ハゲアリドリ、Gymnocichla nudiceps, Bare-crowned Antbird)
南アメリカに生息する鳥で、アリを主食とすることからこの名が付いています。一部の種類では、頭部や首の羽毛が少ないものもいます。
Bare-crowned antbird - Wikipedia
禿鸚哥(ハゲインコ)
ハゲインコは、主にブラジルのアマゾン川南部に生息しており、顔がほとんど羽毛のない黒い皮膚で覆われているのが特徴です
学名:Gypopsitta vulturina
和名:ハゲインコ(禿鸚哥)
英名:Vulturine Parrot(ハゲインコ)
Pyrilia vulturinaのシノニム
漢字表記の和名に「禿」がある理由
- 羽毛が少ない: 頭部や首の羽毛が少なく、皮膚がむき出しになっているため。
- 羽の色が薄い: 羽の色が白っぽく、まるで禿げているように見えるため。
- 皮膚の色が特徴的: 皮膚の色が赤色や黄色など、他の部分と異なるため。
鳥類以外で和名の漢字表記に「禿」がある動物
- 魚類: 禿鰍(ハゲカジカ、Gymnocanthus pistilliger《魚》〔学名〕)のように、「禿」の漢字がつく魚もいますが、その数は鳥類に比べると少ないです。
哺乳類: 哺乳類では、「禿」の漢字がつく動物はほとんどいません。
なぜ「禿」の漢字がつく動物が多いのか?
- 食性: 禿鷹や禿鷲のように、死んだ動物を食べる鳥は、頭部を清潔に保つために羽毛が少ないという説があります。
- 体温調節: 頭部や首の皮膚をむき出しにすることで、体温調節を行っているという説もあります。
- カモフラージュ: 周囲の環境に紛れるための適応であるという説もあります。
まとめ
「禿」の漢字がつく動物は、主に鳥類に多く見られ、その理由は様々です。
羽毛が少ない、羽の色が薄い、皮膚の色が特徴的など、それぞれの種によって特徴は異なります。
これらの動物たちの生態や進化の過程を知る上で、「禿」という漢字が持つ意味を考えることは興味深いことです。
興味深いですよ!「和名等の漢字表記に『禿』がある動物」。