今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「サメ肌」です。
「サメ肌」という言葉の意味や用例などについて、以下の目次に沿って深掘りしてみました。
「サメ肌」の2つの意味
サメ肌には、以下の2つの意味があります。
鮫を含む語句
サメ肌
荒れてザラザラしたヒトの皮膚を指す。鮫の皮は滑り止めとして日本刀の柄に巻いたりワサビおろしに用いることから、古来の日本の生活では身近に目に触れた。また競泳用の水着の素材や模様を形容している。
1. 皮膚の症状としてのサメ肌
意味:
人間の皮膚がサメの肌のようにザラザラしたり、ブツブツしたりする状態を指す言葉です。医学用語ではなく、俗語として使われます。
正式名称は「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」です。
原因:
古い角質が毛穴に詰まることで起こります。
乾燥肌や遺伝的体質、生活習慣の乱れなどが原因となることがあります。
症状:
二の腕や太もも、背中などにできやすいです。触るとザラザラしたり、ブツブツとした感触があります。かゆみや痛みはないことが多いです。
2. サメの肌の構造
サメの皮膚は、小さな歯のような突起(鱗の一種)で覆われています。この突起が水の抵抗を減らし、高速で泳ぐことを可能にしています。
表面は滑らかに見えますが、実際にはザラザラしています。
サメの鱗の特徴
- 楯鱗(じゅんりん): サメの鱗は「楯鱗」と呼ばれます。
- 歯と同じ構造: 歯と同じエナメル質で覆われており、硬くて丈夫です。
- ザラザラした表面: 表面には細かい突起があり、触るとザラザラします(これが「サメ肌」の由来です)。
- 水の抵抗を軽減: 突起の向きが一定方向になっており、水の流れを整え、抵抗を減らす効果があります。
サメの鱗と一般的な魚の鱗の主な違い
サメの鱗と一般的な魚の鱗の主な違いは以下の通りです。
- 形: サメの鱗は楯状で歯のような突起を持つのに対し、一般的な魚の鱗は円形や菱形など、様々な形をしています。
- 構造: サメの鱗はエナメル質で覆われており、真皮に埋まっていますが、一般的な魚の鱗は骨質でできており、真皮から剥がれやすいです。
- 役割: サメの鱗は水の抵抗を軽減する役割を担い、また体の保護にも役立っています。一方、一般的な魚の鱗は主に体の保護と泳ぎの補助を担っています。
- その他: サメは成長とともに新しい鱗が追加されますが、一般的な魚は古くなると鱗が剥がれ落ち、新しい鱗に生え変わります。
これらの違いは、サメと一般的な魚が進化の過程で異なる環境に適応してきた結果だと考えられます。
サメ肌状の特殊フィルムと競泳素材の詳細
サメの肌の構造を応用し、乗り物などの表面を特殊な加工でザラザラにすることで、空気抵抗や水流抵抗を減らす技術が「サメ肌構造の応用」です。
燃費向上やスピードアップに貢献することが期待されます。
新幹線や航空機の機体表面に、サメ肌状の特殊フィルムを貼ることで、空気抵抗を減らす試みがあります。
競泳水着などにも、サメ肌の構造を模した素材が使われています。
概要|リブレット加工|株式会社ニコン アドバンストマニュファクチャリング事業部/次世代プロジェクト本部
1. サメ肌状の特殊フィルムとは?
リブレットフィルム:
サメの肌の構造を模した微細な溝を持つフィルムです。
表面積を増やし、空気や水の流れを整えることで、抵抗を減らす効果があります。
航空機や船舶、自動車など、様々な分野で応用されています。
英語の「riblet」に由来し、微細な溝状の構造のことを指します。
リブレット (riblet) - 流体の乱流摩擦抵抗を低減するために表面に施される微細な縦溝構造。
リブレットフィルムの応用例:
航空機や船舶、自動車など、様々な分野で応用されています。
航空機の機体表面に貼ることで、空気抵抗を減らし、燃費を向上させることができます。
船舶の船底に貼ることで、水流抵抗を減らし、燃費を向上させることができます。
自動車の車体表面に貼ることで、空気抵抗を減らし、燃費を向上させることができます。
リブレットフィルムの課題:
耐久性やメンテナンス性などが課題として挙げられます。
複雑な形状の物体に貼り付けるのが難しい場合があります。
2. サメ肌の構造を模した競泳素材
競泳水着:
サメ肌の構造を模した素材で作られた競泳水着は、水の抵抗を減らし、選手のスピードアップに貢献します。
表面に微細な溝や凹凸があり、水の流れを整える効果があります。
代表的なものとしては、ミズノの「GX SONIC」や、Speedoの「FASTSKIN」などがあります。
競泳素材の課題:
素材の耐久性や、選手の体型に合わせたフィット感が重要になります。
高度な技術が必要なため、製造コストが高い傾向があります。
まとめ
サメ肌には、人間の皮膚の症状と、サメの肌の構造という2つの意味があります。
サメの肌の構造は、様々な分野で応用されており、今後の技術開発にも注目が集まっています。サメ肌状の特殊フィルムや競泳素材は、サメの肌の構造を応用したもので、空気や水の抵抗を減らす効果があります。
リブレットフィルムは、その代表的な例の一つであり、様々な分野での活用が期待されています。
興味深いですよ!「サメ肌」。