今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは、「ちりめんじゃこ」です。
「ちりめんじゃこ」の意味や語源・用例などを深掘りリサーチし、以下の目次に沿ってレポートしていきます。
「ちりめんじゃこ」とは?
ちりめんじゃこについて、詳しく解説します。
ちりめんじゃこ(縮緬雑魚、 英: Dried young sardines)またはしらす干しは、イワシ類(カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・シロウオ・イカナゴなど)の仔稚魚(シラス)を食塩水で煮た後、天日などで干した食品。
魚そのものはシラスといい、固く干さない状態のものはその名で呼ばれることもある。
収量が多く、油分の少ないカタクチイワシの仔魚が用いられることが多い。ちりめんじゃこの体長は一般に3cmに満たないものを指し、より大きいものは「カエリ」と呼ばれることがある。
牛乳と共にカルシウムを多く含む食品の代名詞ともなっている。
天日干しされているちりめんじゃこ。三重県鳥羽市答志島にて。
また、ちりめんじゃこ(しらす干し)全般について、東日本では「しらす干し」、西日本では「ちりめんじゃこ」と呼ぶ場合もある。
なぜ「ちりめん」?その名付けの由来
ちりめんじゃこが「ちりめん」を冠されるようになったのは、その独特の見た目から来ています。
- 平らに広げられた様子:
小さな魚を平らに並べて乾燥させる様子が、絹織物のちりめんを広げたように見えることから、「ちりめんじゃこ」と呼ばれるようになりました。
ちりめん織物は、細かい凹凸があり、ちりめんじゃこも、同様に細かい魚体がぎっしり並んでいるため、ちりめん織物と似た見た目になるのです。
ちりめんじゃこ、かまあげしらす、しらす干し、それぞれの違い
これらの呼び方は、原料や加工の段階によって使い分けられます。
- ちりめんじゃこ: いわしの稚魚を塩で煮て乾燥させたもの。最も乾燥が進んでいる状態で、長期保存が可能です。
- しらす干し: いわしの稚魚を塩で煮て、ちりめんじゃこほど乾燥させていないもの。ちりめんじゃこよりも水分が多く、柔らかく、風味も豊かです。
- かまあげしらす: いわしの稚魚を塩で煮た後、すぐに冷水で冷やしたもの。生のしらすを茹でてすぐに食べるようなイメージで、最も生の状態に近いものです。
ちりめんじゃこの定義と特徴
「ちりめんじゃこ」の定義
いわしの稚魚を塩で煮て乾燥させたもの。
「ちりめんじゃこ」の特徴
- 栄養価: カルシウム、たんぱく質、ビタミンDなどが豊富。
- 食感: カリッとした食感と、魚の旨味が凝縮された味わい。
- 用途: ご飯のお供、ふりかけ、炒め物、パスタなど、幅広い料理に利用できる。
- 保存方法: 冷暗所で保存。開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切る。
ちりめんじゃこの語源
「ちりめん」は、絹織物の名称で、細かい凹凸がある織物のことを指します。
前述の通り、ちりめんじゃこを乾燥させた様子が、この織物に似ていることから名付けられました。
縮緬(ちりめん)とは?
ちりめん(縮緬、クレープ織り、仏: crêpe)は、絹を平織りにして作った織物。 縮(ちぢみ)織りの一種であるが、その中で、絹で織った物の事を言う。
概略
一般的には、経糸にはほとんど撚り(より)のない糸を使い、緯糸として、強い撚りをかけた右撚り糸(右回りにねじった糸)と左撚り糸(左回りにねじった糸)とを交互に織り込む。このため、精練すると、撚りのかかった糸に撚りを戻そうとする力が生まれ、布が縮んで、生地の表面にシボ(凹凸)が現れる。主に高級な呉服や風呂敷に使われる。絹・レーヨンで織られたちりめんは、水に浸けるとさらに縮むが、ポリエステルなど化繊で織られたちりめんは縮まない。
縦糸に絹糸、横糸に綿糸を用いて縮緬のように織った綿縮緬というものもある。
ちりめん(レーヨン製)の表面を拡大したところ。
テレビドラマ『水戸黄門』では、主人公水戸光圀は「越後の縮緬問屋の隠居で光右衛門」と名乗っている。
まとめ
ちりめんじゃこは、いわしの稚魚を加工した食品で、その独特の見た目から「ちりめん」と呼ばれるようになりました。
かまあげしらすやしら干しとの違いは、乾燥の度合いが異なり、ちりめんじゃこが最も乾燥が進んでいる状態です。
栄養価が高く、様々な料理に利用できるため、日本人の食卓に欠かせない食材の一つです。
興味深いですよ!「ちりめんじゃこ」。